最後まで自身の弁明が認められなかった水原被告。その表情はうつろなままだった。(C)Getty Images 一切の情状酌量も認められなかった。米カリフォルニア州の連邦地裁は6日(日本時間7日)、ドジャースの大谷翔平の元通訳で、銀行口座から約…

最後まで自身の弁明が認められなかった水原被告。その表情はうつろなままだった。(C)Getty Images
一切の情状酌量も認められなかった。米カリフォルニア州の連邦地裁は6日(日本時間7日)、ドジャースの大谷翔平の元通訳で、銀行口座から約1659万ドル(約25億7000万円)を盗み、スポーツ賭博の胴元に不正送金したとする銀行詐欺罪などに問われた水原一平被告に対し、求刑通り禁錮4年9か月を言い渡した。
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司法取引により自身の罪を認めていた水原被告は、今年1月23日にジョン・ホルコム判事に宛てた書簡で「本当の意味での休みはほとんどありませんでした」と釈明。大谷の“専属通訳”を務めるにあたり、年末年始もなく長く時間を拘束された末に、低賃金であったことからくる「生活苦」を訴えた。
しかし、検察側の調査の結果、水原被告に対して、大谷側が数百万円単位の支出を支払っていたことが判明。ほかにも高級車のポルシェを贈られるなど十分すぎるほどの援助を受けていた事実も明るみになり、判事に「どうか、慈悲を与えてください」と減刑を求めた同被告の苦しい弁明は一蹴された。
水原被告の証言に隠された嘘を含む新たな事実も公になった判決を受け、米メディアも騒然。一部の識者からは怒りの声も上がった。
事件発覚直後から水原被告を「恥ずべきだ」と断じてきた米野球専門YouTubeチャンネル『Foul Territory』のホストを務めるスコット・ブラウン氏は、改めて一連の証言を糾弾。判事宛ての書簡内で同被告が大谷と真美子夫人の「婚前契約」を明らかにした箇所を問題視し、「『十分に対価を得ていない』と言った彼が難しい労働のひとつとしたのが、オオタニが妻との間に結んだ婚前契約の合意の場でずっと座っていなければならなかったことだと書いたことだ。ここが一番頭にきた」と憤怒した。
さらに「2人(大谷と水原被告)がお互いに助け合う親友だったことは明らか」としたブラウン氏は、大谷の信用を利用した水原被告を断じた。
「本当に呆れるほど忌々しい。オオタニのプライベートな事情まで手紙に含む必要なんてまったくなかった。とても卑劣な行為だ。イッペイは自分が気の毒だと思ってもらいたかっただけだ。今回の出来事で彼に不利な判決が下されることが当然だったということがわかっただろう」
量刑言い渡しの場でも後味の悪さだけが残った今回の事件。終始、無表情で場を去ったとされる水原被告は今、大谷に何を思っているのだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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