大谷との関係を利用して罪を重ねた水原被告。(C)Getty Images お茶の間をも騒然とさせたスキャンダルが一つの節目を迎えた。 ドジャースの大谷翔平選手の元通訳で、銀行詐欺罪などに問われている水原一平被告に対して、現地時間2月6日、米…

大谷との関係を利用して罪を重ねた水原被告。(C)Getty Images
お茶の間をも騒然とさせたスキャンダルが一つの節目を迎えた。
ドジャースの大谷翔平選手の元通訳で、銀行詐欺罪などに問われている水原一平被告に対して、現地時間2月6日、米連邦地裁は検察側の求刑通りに、禁錮4年9月と大谷選手への1700万ドル(約26億円)の賠償などを命じた。
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球界を大きく揺るがせた騒動の渦中において繰り返された「嘘」。ゆえに水原被告の証言は最後の最後まで認められなかった。
今年1月23日に裁判官に宛てた書簡で情状酌量を求めた同被告は過酷な労働環境によるストレスと、「著しく低賃金だった」という困窮生活を強調。罪を猛省するとともに自身がギャンブル依存症に至った経緯を説いたが、ジョン・ホルコム判事は「全く信用できるものではない」と一蹴。「真実を偽った」と手紙の内容を断じるとともに、減刑を認めなかった。
昨年3月の事態発覚から約1年でようやく一つの結末を迎えたスキャンダル。求刑通りの決着を見た検察側は改めて水原被告の犯した罪の重さを説いている。裁判後に会見を開いた同州のジョセフ・マクナリー連邦検事代理は「水原被告はIRS(国内歳入庁)と大谷氏の両方に1700万ドル以上の賠償金を支払うよう命じられた。これは、この種の犯罪の重大さを伝え、それに手を染める可能性のある人々に強烈なメッセージとなった」と強調し、大谷が“被害者”であることを訴えた。
「これまで我々は何度も明らかにしてきたが、本日は改めて強調したい。大谷氏はこの事件の被害者だ。彼は金を盗まれ、水原被告に利用され、食い物にされたのだ」
さらに大谷の信頼を利用し、不正な資金盗用など犯罪行為を繰り返した水原被告を「恐ろしい人物」と評したマクナリー連邦検事代理は「噓をつきであり、大谷氏を騙した」と主張。「恥知らずな盗みを働いた水原被告は、大谷氏を装い、その身分を使って、自身が利用していた違法のブックメーカーに送金した。水原被告はそれを24回繰り返した。これは水原被告の単独の犯罪行為だった」と糾弾。「水原被告」というワードを繰り返して語り続けた。
球春到来を目前にした中での判決を受け、当事者として巻き込まれた大谷はどのような胸中なのか。複雑であろう心境を推し量ることは容易ではない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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