ドラ1の石塚はスケールの大きい打撃が注目されている(C)産経新聞社 昨年リーグ覇者となった巨人の春季キャンプでは活気あふ…

ドラ1の石塚はスケールの大きい打撃が注目されている(C)産経新聞社
昨年リーグ覇者となった巨人の春季キャンプでは活気あふれる様子が日々、伝わってきている。
まずキャンプ序盤、高い注目を集めたのは新加入の田中将大だった。日米通算197勝のレジェンド右腕も昨年は勝ち星なし。名伯楽で知られる久保康生巡回投手コーチの下でフォーム改造に取り組んでいる様子が伝えられている。
【関連記事】「モノが違う」「別格」巨人のドラフト1位・石塚裕惺が目指す将来像は坂本か、岡本か
またひそかにポテンシャルの高さが注目されているのはドラフト1位ルーキーの石塚裕惺にもある。
181センチ、90キロの大型内野手。花咲徳栄高時代は走攻守三拍子揃った選手として知られ、3年夏にはチームを甲子園に導いた。昨年9月に台湾で行われた「第13回 BFA U18アジア選手権」では、侍ジャパン高校日本代表の「4番・ショート」としても存在感を示した。
今キャンプでは2軍スタートながらフリー打撃でも快音を飛ばし、木製バットにおいても対応力を示している。守備でもフットワーク軽く取り組む姿を見せていることで球界内でも、「モノが違う」と期待の声が高まっている。
巨人は昨秋のドラフトに1位で即戦力左腕の金丸夢斗を指名したが、4球団競合の末、外した。その後、外れ1位として高校生内野手の石塚を含む、上位3選手に内野手を指名するという大胆な策をとった。
そこには現有戦力への叱咤もあるとされる。長く遊撃を守り、昨年から三塁を守る坂本勇人も今季は37歳シーズンを迎える。勝負強い打撃は健在もコンディション面で不安なところも出てきており、今季もフル稼働は厳しいとの見方もある。
また昨季、坂本勇人にかわって遊撃を任された門脇誠は年間通して安定したパフォーマンスを残せず。129試合に出場、打率.243、0本塁打、21打点、9盗塁とすべてにおいて、ルーキーイヤーより下回った。
内野守備の要ともいえる遊撃ポジションにおいては長年「打てるショート」の坂本が君臨。長い歴史を動かしたのは門脇だったが、課題の打撃を改善しないかぎり、スーパールーキーの台頭も浮上しそうだ。
歴史をひもとけば、長くレギュラーを張る坂本もルーキーイヤーの2007年終盤、チームが優勝争いのさなかに1軍昇格。中日戦に代打で出場し、延長12回に中前へ決勝適時打を放ったことがサクセスストーリーの始まりだった。
つまり力があると認められれば、1軍切符も夢ではないということ。内野手の布陣を厚くすることはリーグ連覇、目指す日本一に向け重要なピースでもある。
お披露目となった昨年のファンフェスタでは「たくさんの記録を残し、ファンの皆様の記憶に残る選手になりたい」と意気込みを語った背番号23。今後段々とギアを上げていく18歳のヤングジャイアンツがチームに勢いを与える存在となるか。今後の成長の軌跡も楽しみとなりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】“もう一皮むけてほしい”巨人・阿部監督が指名した投打の「ブレイク期待株」とは
【関連記事】「劇的に変わるよ」 巨人加入の田中将大の"魔改造"は何がすごい? 球界OBが着目した「ポイント」とは
【関連記事】「結局は守護神・大勢」の可能性も 阿部巨人、日本一へ盤石ブルペン 新加入マルティネス「一抹の不安」