レッズ時代の14年に20勝を挙げたクエト。身体をくねくねと揺らしながら投げ込む独特の投球動作はファンの垂涎の的でもあった…

 

レッズ時代の14年に20勝を挙げたクエト。身体をくねくねと揺らしながら投げ込む独特の投球動作はファンの垂涎の的でもあった。(C)Getty Images

 

 プロ野球12球団の春季キャンプが始まり、球春がいよいよ訪れた日本球界。各球団の補強もだいたいの整理がつき、あとは開幕までに現有戦力のブラッシュアップを図っていく段階に入ったと言っていい。

 そうした中で一つの“怪情報”が、とりわけニッチな野球ファンの間で話題となった。発端となったのは、Xアカウント「World Baseball Network」の投稿だ。日夜、各国球界のありとあらゆる情報を発信している同アカウントは、現地時間2月2日に「ジョニー・クエトは、今日、日本の球団からはオファーを受けているが、メキシコの球団からは受けていないと語った」と伝えたのだ。

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 クエトは、MLBで17年のキャリアを誇る軟投派の好投手だ。レッズに所属した2014年には年間20勝を挙げた実績を持っており、日本球界参戦となれば、小さくない話題となるのは想像に難くない。ただ、すでにキャンプが始まった段階で、大物の新助っ人を獲得する球団がNPBに現れるかは不透明なところではある。

 ゆえに信ぴょう性はどこか乏しい。だが、中南米の野球関係者たちから38歳のベテラン右腕の日本行きに太鼓判を押されている。

 現在開催中のウインターリーグ王者を決定する大会「カリビアンシリーズ」でドミニカ代表の指揮を執るアルバート・プーホルス氏は、メキシコの日刊紙『MILENIO』などの取材に対して「ジョニーが我々のために投げてくれている投球を見るに、アメリカや日本、もしくはメキシコであろうと、彼にチャンスを与えたいと望むチームにとっては幸せだろうね。今の彼は素晴らしいボールを投げている」と絶賛した。

 とはいえ、年齢的な衰えがあるのも事実だ。米マイナーでの活動に終始した昨季の成績は、13先発で5勝1敗、防御率4.76、WHIP1.27と低調なパフォーマンスに終始。被打率も.271と決して低いわけではない。「打低投高」が叫ばれる日本球界でも馴染めるかは分からない。

 それでも今オフのウインターリーグでクエトは3先発で、15イニングを投げて、防御率1.80、WHIP1.27と圧巻の投球を披露。状態の良さを見せつけているだけに、日本を含めた国内外のスカウト陣の心象を良くした可能性も大いにある。

 果たして、「日本からのオファーを受け取った」という情報は真実なのか。かつて米球界で異彩を放ったクエトの動静は、引き続き注目していきたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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