自身の価値を高める決断を常に下してきた三笘。(C)Getty Images サッカー界を騒然とさせるメガオファーを巡る決…

自身の価値を高める決断を常に下してきた三笘。(C)Getty Images
サッカー界を騒然とさせるメガオファーを巡る決断は賛否両論を呼んだ。
プレミアリーグのブライトンは、サウジアラビアの強豪アル・ナスルによる三笘薫に対する再三再四のオファーを拒否。現地時間1月31日には、9000万ユーロ(約144億円)に500万ユーロ(約80億円)のオプションが付帯するオファーが提示されたが、頑なに受け入れず。日本代表FWとの27年6月までの契約を維持した。
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とはいえ、だ。9000万ユーロ(約144億円)+500万ユーロ(約80億円)という大型オファーが舞い込む機会は稀で、次の移籍市場が開く夏に舞い込むかは不透明である。ゆえに27歳の日本代表FWを売り時でなかったのかといった指摘がファンや識者から噴出。ブライトン経営陣の判断を断じる意見が目立った。
そもそもなぜアル・ナスルは三笘に白羽の矢を立てたのか。英衛星放送『Sky Sports』は、22年12月にクラブに加入したポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドの立場が関係していると説いている。
「アル・ナスルはサウジアラビアでプレーして3シーズン目で、いまだタイトルを獲得していないロナウドを後押ししたいと考えている。そして彼らは高齢化したスーパースターたちの老人ホームではなく、若くて、発展途上にある選手も加わった陣容で戦っていく、サウジアラビア・サッカー界の新たな戦略の一環を見せようとしている」
アル・ナスル加入以来、サウジアラビア・リーグのアイコン的な存在として君臨しているC・ロナウドだが、来る2月5日に40歳となる。今季も24試合で21ゴールとコンディション面に問題は見られず、本人も現役継続に意欲的だが、クラブが次なる一手を狙うのも必然だろう。
そこで世界最高峰のプレミアリーグで異彩を放つ三笘にオファーが飛んだ。献身性も高い彼ならば、C・ロナウドの守備負担をケアし、共闘も可能となるという狙いである。
ただ、ブライトンはアル・ナスル側の目論見をあっさりと崩した。
もっとも、ブライトンからすれば、当然の選択ではあった。約2年半の保有権を有している立場に加え、三笘はチームの絶対的な核。シーズンの真っただ中であり、なおかつ欧州の移籍市場が閉じる目前で代役の選定は容易ではない。そうしたさまざまな事情を考慮すれば、巨額オファーという“誘惑”を絶つ理由は説明が付く。
マンチェスター・Uやチェルシーからの関心も
さらに言えば、ブライトンは本人の想いも汲んだのかもしれない。
地元紙『Sussex World』は「ミトマは非常に野心的で、来シーズンはチャンピオンズリーグの舞台で自分自身を試したいと考えている」と指摘。将来的に三笘が欧州のメガクラブでのプレー意欲を持っていることを論じた。
過去にメガクラブからの関心がなかったわけではない。これまでもアーセナルやマンチェスター・ユナイテッド、リバプール、トッテナム、チェルシーなどプレミアリーグを中心に移籍の噂は幾度となく浮上。その中で実際にクラブ間の交渉が行われたという報道もあった。
これまでも高い向上心を持って進化を続けてきた三笘。これはあくまで推察だが、ブライトンもその想いに理解を示しているからこそ、今冬の売却を決断しなかったのかもしれない。
いまやオイルマネーが動くほどのエキサイティングなウインガーとなった日本代表FWは、ここからいかなるキャリアを描くのか。今シーズンの残り期間の活躍次第では、三笘が夏にメガクラブへステップアップするというのも現実味を帯びてくるか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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