キム・イェジュンを打ちのめした井上。(C)Lemino/SECOND CAREER「私はピカソとの試合が実現しないことを神に祈る。イノウエが、あの若者を完膚なきまでに叩きのめしてしまう気がするんだ」 そう語るのは、メキシコ・ボクシング界の名…

キム・イェジュンを打ちのめした井上。(C)Lemino/SECOND CAREER
「私はピカソとの試合が実現しないことを神に祈る。イノウエが、あの若者を完膚なきまでに叩きのめしてしまう気がするんだ」
そう語るのは、メキシコ・ボクシング界の名伯楽イグナシオ・ベギリスタイン氏だ。母国のYouTubeチャンネル『EL BOXGLERO』で興味深い持論を披露した。
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元世界4階級制覇王者のファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)や同じく世界2階級制覇王者のダニエル・サラゴサ(メキシコ)らを指導してきた名トレーナーは、当代最強の呼び声もある世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)と、次期対戦相手として有力視されているWBC同級1位のアラン・ピカソ(メキシコ)のマッチメイクをシビアに評価した。
24歳になる新進気鋭のメキシカンにとってはかなり辛辣な評価ではある。「大きな実力もないまま、モンスターと対峙すれば、ただ危険な目に遭うだけだ」とも強調するベギリスタイン氏は、両雄の実力差を論じた。
無論、ベギリスタイン氏が試合を危険視するのは、井上の実力を評価しているからこそ。4階級を制してきた31歳を「ボクシング界の小さな偉才」と評価し、「イノウエはパッキャオの領域に近づいている。彼は本物のファイターであり、技術的に完成されている。パワーと生まれ持ったボクシングIQがあるんだ」と賛辞を居並べた。
「モンスターというニックネームは彼に完璧に当てはまると思う。彼は今、パッキャオを超えられる重要な立場にいる。間違いなく本物だ」
ベギリスタイン氏は御年85歳となるが、今に至るまで、その目で数多の選手たちを見分け、多くのメキシカン・ファイターを手塩にかけてきた。だからこそ、井上を「本物」と絶賛する。
さらにベギリスタイン氏は“モンスター”に対する批判的な意見も意に介さない
「人々は『彼はアメリカで試合をしてないじゃないか』って無意味なことを言っているが、彼は自分を証明するために日本を離れる必要なんてない。日本を出たら通用しないなんて考える連中もいるが、そんなことはない。イノウエはどこでも同じように戦える。どこへ行こうとも、大きなインパクトを与えるはずだよ」
百戦錬磨の名トレーナーがここまで賛辞を惜しまない事実は、井上の怪物たる所以だと言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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