世界ラリー選手権の開幕戦。モナコとフランスを舞台とする「ラリー・モンテカルロ」で、今年からライバルチームへ移籍した29歳の新鋭ドライバーが鬼気迫る走りを披露した。【映像】“雪道ショートカット走法”で限界アタックの瞬…
世界ラリー選手権の開幕戦。モナコとフランスを舞台とする「ラリー・モンテカルロ」で、今年からライバルチームへ移籍した29歳の新鋭ドライバーが鬼気迫る走りを披露した。
競技最終日デイ4(日本時間1月26日)のSS18は、有名なチュリニ峠まで山道を登るテクニカルなコースで、降雪の影響もあって路面が滑りやすくなっている。しかし上位入賞者にポイントが加算される「パワーステージ」ということで、各ドライバーとも気合いの走りを見せていた。
特に注目を集めていたのが、昨年まで在籍したフォードMスポーツから、ワークス体制のヒョンデへと移籍を果たしたアドリアン・フルモー(29)だ。ヒョンデ i20 N ラリーでどれだけ速く走れるか期待されるなか、ラリー序盤からトップ3に食い込む激走を続けていた。
そんなフルモーが真価を発揮した。スタートから轟音を響かせてダッシュすると、攻めたコース取りをしながら山間ステージをグイグイ登っていく。各計測地点でトップタイムを塗り替えながら、ステージ後半の氷雪地帯に入る。セッション開始時はコース上を覆っていた雪は、各マシンが走行を重ねていくうちに少しずつ溶けだし、シャーベット状のアイスバーンに。するとフルモーは、右コーナーで車体を3分の1ほどコース外にはみ出してショートカット! 雪とぬかるみにハマってスピンしてしまいそうだが、脅威の粘りを見せてコース内へ戻った。
最後はコース外に吹っ飛びそうなほどの勢いで土煙をあげながらフィニッシュし、見事に暫定トップタイムを獲得。最終的にSS18で3位となり、総合でも3位を獲得。フルモーはヒョンデでの初走行でいきなり表彰台獲得という快挙を成し遂げた。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2025』/(C)WRC)