◇米国男子◇AT&Tペブルビーチプロアマ 初日(30日)◇ペブルビーチGL(6972yd)、スパイグラスヒルGC(7041yd、いずれもカリフォルニア州、パー72)昨年末に右手を負傷して、1カ月近く療養していたスコッティ・シェフラー。今季…

グリップをしてからフェース面の向きを確認

◇米国男子◇AT&Tペブルビーチプロアマ 初日(30日)◇ペブルビーチGL(6972yd)、スパイグラスヒルGC(7041yd、いずれもカリフォルニア州、パー72)

昨年末に右手を負傷して、1カ月近く療養していたスコッティ・シェフラー。今季の自身初ラウンドとなったこの日、スパイグラスヒルGCで「67」をマークし、5アンダー15位タイとまずまずの滑り出しをみせた。

グリップトレーナーつきアイアンで練習する

実は練習日にシェフラーが打撃レンジで球を打っている様子を観察していたのだが、彼がずっと同じクラブ(ミドルアイアンぐらい)で球を打っていることに気づいた。打つたびに必ずクラブを宙に掲げてグリップとフェース面をチェックしている。いったい何をやっているのだろうか。おや?グリップが何やら変だな。あれはグリップ矯正器具ではないか。ゴルフを始めたての人が、握り方を覚えるために使う「グリップトレーナー」だ。

グリップ矯正アイアンを打つときの手順

シェフラーは1球打つたびに、以下のような動作を繰り返していた。クラブフェースをボールに合わせる→左手をグリップのガイドに沿うようにセット→左手でクラブを掲げヘッドを宙に上げて右手もセット→両手をガイドに沿って握った状態で再度フェースの向きを確認→ヘッドを下ろして球を打つ

テーラーメイドのアイアンに矯正グリップを差す

世界ランキング1位の選手が、グリップ矯正器具を使っているなんて驚くばかり。販売価格をアマゾンで調べると、約11ドル前後(約1700円)。彼の昨シーズンの賞金総額は、約2923万ドル(約45億円)だから、その差たるや…。結局、シェフラーはそのグリップ矯正アイアンで1時間近く打ち込み。長らく実戦から離れていたので、スイングの基本であるグリップを改めて確かめていたのだろう。

聞けばシェフラー、昔からこのグリップトレーナーで球を打って、グリップを小まめに確認しているという。「けっこう酷いグリップで育ってきてしまって、矯正の意味で使い始めたんだ。グリップってクラブと体をつなぐ唯一の接点だから、そこがズレないようにするのは自分にとってほんと大事なこと。丸いグリップを使っていると、どうしても同じポジションで握るのは難しいからね」と本人も語っている(シェフラーはウィークグリップで有名だから、おそらくではあるが、矯正グリップ自体をウィークに調整していると思われる)。

シェフラーのグリップはウィーク目

初日のスタート前にも同じ“アイアン”で球を打っていたシェフラー。他のクラブでひとしきり球を打ったあとに、最後にまた矯正グリップを握り直してからティイングエリアに向かっていった。世界ランキング1位の人がこれだけすがるグリップ器具。試してみたいと思うのは私だけだろうか。ちなみにザンダー・シャウフェレもこのグリップトレーナーを普段から使っていることも、書きとめておきたい。(カリフォルニア州ペブルビーチ/服部謙二郎)