ル・マンに対するフォードの想いは強いようだ(C)Getty Images 米自動車大手のフォードは1月30日、仏ル・マン24時間レースがシリーズカレンダーに組み込まれている世界耐久選手権(WEC)の最高峰クラスのハイパーカー・カテゴリーに2…

ル・マンに対するフォードの想いは強いようだ(C)Getty Images

 米自動車大手のフォードは1月30日、仏ル・マン24時間レースがシリーズカレンダーに組み込まれている世界耐久選手権(WEC)の最高峰クラスのハイパーカー・カテゴリーに2027年から参戦すると発表した。同社がル・マンのトップカテゴリーにプロトタイプマシンを投入するのは、グループCカー時代の1982年以来。

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 ハイパーカーで参戦しているのはアストンマーティン、アルピーヌ、GMモーターズのキャデラック、トヨタ、BMW、プジョー、フェラーリ、ポルシェの8社。2026年からは韓国メーカー、ヒョンデのブランド「ジェネシス」が参戦する予定で、フォードは10番目のマニュファクチャラーとなる。

 フォードは26年からレッドブルと提携してF1用のパワーユニットを送り込む予定。F1とWECはともにハイドブリッドエンジンを使うことから親和性が高いと言われ、フェラーリも23年、昨年とル・マンで連覇を果たした。このほか「欧州フォード」の活動ながら世界ラリー選手権(WRC)にもM―スポーツとのジョイントでワークス参戦中で、世界ラリーレイド選手権(WR2C)の一戦でもあるダカールラリーに今年から復帰しており、国際自動車連盟が管轄する4つの世界選手権のトップカテゴリーを戦うことになる。

 フォードのビル・フォード・エグゼクティブチェアマンは「オンロードとオフロードで私たちが何をしているかを見てもらえれば、分かる。私たちがレースをするときは、勝つためにレースをする。社の歴史に中でル・マン以上に意味深いコースやレースは存在しない」と話した。

 世界選手権をみるとフォードが目指す同じ領域を戦うのがトヨタだ。WEC、WRC、WR2Cに参戦しており、電動車のフォーミュラE世界選手権にはエントリーしていない。F1についても昨年終盤に、ハースとの提携を発表。人材交流や技術供与を行い、1月にはF2に参戦するトヨタ系ドライバーの宮田莉朋がスペイン・ヘレスで行われたハースの旧型車をテストドライブした。

 モータースポーツはフル電動車よりもハイブリッドエンジン車両がトレンド的には優勢で、電動車のフォーミュラEについてもアウディ、メルセデス、BMWが相次いでワークス活動から撤退した。フォードもトヨタと同様にフォーミュラEの世界には足を踏み入れなかったが、栄光のル・マンだけは思い入れがあったもよう。

 特に1966年から4連覇した実績があり、75、80年にもフォードエンジンを搭載した車両が総合優勝を果たしている。2016年からは下部カテゴリーのLM―GTEクラスに挑戦していた。米国のNASCAR、インディカーを含めてフォードがワークス体制で参入するとそのシリーズが大いに盛り上がるとされており、モータースポーツの勢力図にも影響が出そうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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