セルティックで絶対的な存在感を放った古橋。(C)Getty Images 今冬に実現した日本人ストライカーの移籍が話題を…

セルティックで絶対的な存在感を放った古橋。(C)Getty Images
今冬に実現した日本人ストライカーの移籍が話題を呼んだ。去る1月27日にスコットランド1部の名門セルティックからリーグ・アンの古豪レンヌに移籍した日本代表FW古橋亨梧のそれだ。
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まさに電撃移籍だった。21年7月にヴィッセル神戸から移籍して以来、フープス(セルティックの愛称)のエースとして活躍してきた古橋。3度の国内リーグ制覇など多くのタイトルをもたらした寡黙な日本人ストライカーに対してはチーム内の信望も厚く、セルティックを率いるブレンダン・ロジャース監督は英紙『Daily Record』で「間違いなく彼はクラブを象徴する選手だった」「移籍を望んでいるのは明白だった。でも、明らかに、我々は彼を売りたくはなかった」と別れを惜しんだ。
その存在感の大きさゆえに、1200万ユーロ(約20億円)での売却を決断したクラブには、レジェンドから厳しい指摘も飛んだ。かつてセルティックで活躍した元イングランド代表FWのクリス・サットン氏は、英紙『The Sun』で「キョウゴを売却するということは、セルティックは自分自身に最良のチャンスを与えていないということだ」とキッパリ。そして古橋の価値を訴えた。
「キョウゴはチームにとってお守りのような存在だった。それにCFとしての絶対的だった彼がいなくなることで生じる問題は短期的には解決しないだろう。キョウゴの周りとの連携プレーはとてもきれいだったが、今いる選手たちは、そういうことができる選手ではない。キョウゴはとにかく素晴らしい選手だったし、セルティックは彼の不在を惜しむだろうね」
熱心なファンはもちろん、レジェンドからも惜しまれる古橋。名門において築き上げた価値は稀有なものだと言えよう。
一方で30歳の日本代表FWは、新天地でさっそく真価が問われる事態にも直面している。移籍決定から3日が経過した現地時間1月30日にレンヌが、「私は彼を熱望していた」と古橋獲得を嘱望していたホルヘ・サンパオリ監督を電撃解任。ハビブ・ベイェ新監督の招聘を発表したのだ。
たしかに昨年11月に発足したサンパオリ政権下のレンヌは成績が低迷。直近でも公式戦4連敗と泥沼状態に陥っており、電撃的な更迭も致し方ない側面はある。しかし、指揮官の望んだ新戦力がやってきた直後に監督人事にメスを入れるのは穏やかではない。
レンヌの地元メディアも混沌とするクラブの状況を歓迎はしていない。地元日刊紙『Ouest France』は「嵐はクラブの存続において避けられない局面であり、時折やってくる。そして、それに立ち向かうのに、変化だけが唯一の解決策であってはならない」と指摘。わずか79日でサンパオリ監督を切るなど継続性に欠けるフロント陣の仕事ぶりを断じた。
現時点でベイェ監督のチーム方針は明らかになっていない。とはいえ、古橋が求められる役割や立場が変わることは確実な情勢だ。そうした中で、セルティックで愛された男がどこまで己の力を証明できるのか。フランスにやってきて早々に、そのキャリアは正念場を迎えていると言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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