かつては日本で、最近はUAEやモロッコなどで開催されたクラブ・ワールドカップ。各大陸の王者など7チームが参加していたが…
さて、「マンチェスター・シティが優勝したとしよう」と書いたが、現在のシティが優勝しても、「シティが世界一のクラブ」とは誰も信じられないだろう。
シティは、2022-23シーズンのCLで優勝し、その2年前にも決勝に進出しており、さらに世界最高峰のリーグであるプレミアリーグで4連覇していたから、クラブ・ワールドカップが昨年開かれてシティが優勝していたら誰もが納得しただろう。
だが、今シーズンのシティは公式戦5連敗を含めて低迷している。プレミアリーグの優勝争いからはほぼ脱落し、CLのリーグフェーズでも、現在のところ25位。プレーオフ進出圏にも入っていないのだ。
これで、ワールドカップで優勝されても誰もが納得できないのは当然だ。
ちなみに、CLのリーグフェーズの順位表を見ると、1位がリバプール、2位がバルセロナ、3位がアーセナルとなっているが、この3チームはクラブ・ワールドカップには出場しないのである。
今シーズンのCL決勝は5月31日にミュンヘンで行われるが、もしクラブ・ワールドカップに出場しないクラブが優勝した場合、クラブ・ワールドカップはFIFAの目論み通りに盛り上がるのだろうか?
■無理がある「参加チーム」選び
日本からは浦和レッズが、2022年のACLチャンピオン(決勝は2023年に開催)という資格で出場する。もちろん、世界のトップクラスのクラブとの真剣勝負でどこまで戦えるのか、健闘を期待はしたいが、浦和はけっしてJリーグ最強クラブではない。
浦和は、そもそもリーグ・チャンピオンとしてではなく、2021年度のカップウィナー(天皇杯勝者)としてACLに出場したのであり、リーグ戦ではずっとACL圏入りできていない。最近では2023年の4位が最高で、2024年のJ1リーグでは13位に終わっている。
それでも、ACL優勝直後であれば、浦和のクラブ・ワールドカップ出場に納得できたかもしれないが、今になって(ACL決勝での勝利から2年もたって)クラブ・ワールドカップに参戦したとしても納得感はない。
FIFAはクラブ・ワールドカップという大会を大規模な大会にしたかったようで、32チーム参加の大会とした。また、クラブ・ワールドカップを4年に一度の開催としたため、過去4年間の各大陸チャンピオンをはじめ、ポイント制で出場チームを決めた。
だから、何年も前の成績によって出場するクラブが多くなったし、開催時期を6~7月に設定したため、直近のCL優勝クラブが出場できないかもしれなくなったのだ。
代表チームによるFIFAワールドカップは4年ごとに開かれるが、そのために基本的に2年ほどをかけて予選大会が開かれる。それに対して、クラブ・ワールドカップは過去4年間の優勝チームをかき集めて開かれることになったのだ。
■出場を「7チーム以上」に増やすなら
シーズン終了後に大規模な大会を開くことで選手の疲労を蓄積させ、翌シーズンの各クラブのパフォーマンスに悪影響を与えること。そして、けっして現時点で最強とは言えないようなチームが参加すること……。
クラブ・ワールドカップの矛盾点だ。
こうしたことを考えるなら、もしFIFAがどうしてもクラブ・ワールドカップを開催するとしても、32チーム参加のような大規模な大会でなく、従来、12月にかつては日本で、最近ではUAEやモロッコなどで開かれていた7チーム参加のクラブ・ワールドカップを毎年開いたほうがよいのではないか。
もし、出場チームを7チーム以上に増やしたいというのであれば、たとえば、ヨーロッパからはその年のCLベスト4まで、南米からはリベルタドーレス杯のファイナリスト2チームを出場させてもいい。
つまり、僕は、32チーム参加のクラブ・ワールドカップには開催意義を感じることがまったくできないのである。