さまざまな功績を球界に刻んできたイチロー氏。彼の殿堂入りの得票率を巡る問題は波紋を広げている。(C)Getty Imag…

さまざまな功績を球界に刻んできたイチロー氏。彼の殿堂入りの得票率を巡る問題は波紋を広げている。(C)Getty Images
歴史的な快挙が絡んだ1票の行方が波紋を広げ続けている。
物議を醸すキッカケとなったのは、現地時間1月21日に発表された2025年の米野球殿堂入りのリストだ。今年は有資格1年目のイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が、日本人初の殿堂入りの快挙を達成した。
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ただ、殿堂入りの事実よりも世間の耳目を集めたのは、その得票率だ。事前に満票選出が見込まれていたイチロー氏だったが、得票率は99.7%。わずか1票だけ届かない形となった。
無論、日本選手史上初の殿堂入りそのものは称えるべき結果と言える。得票率99.7%も、メジャーリーグの野手ではデレク・ジーター氏(元ヤンキース/2020年)以来の快挙だ。しかし、通算19年間のMLBキャリアで通算3089安打を記録、日米通算では4367安打と、まさに前人未踏の功績が「評価されていない」という声は小さくない。
米メディアでも投票に疑問を投げかける指摘は止まない。実際に投票を行ってきた“当事者”からも嘆きの声が飛んだ。
ニューヨークの日刊紙『New York Post』の重鎮記者で、全米野球記者協会の会員として殿堂入り投票資格を持っているジョン・ヘイマン氏は、MLB公式ネット局『MLB Network』の番組内で「グリフィーJr.やジーターの時もそうだった。おそらく、その人間(投票しなかった記者)は恥ずかしく思っていることだろう」と指摘。「愚か者と言われるのは誰だって嫌なものだ」と語った上で、1票だけ及ばなかった理由を考察した。
「誰が投票しなかったのかはわからないが、私の考えではその人は単純にチェック項目を見落としたか、忘れたのではないかと思う。私自身、緊張から10回以上は確認した。『あぁイチローには入れているな』とね。私だけは絶対にそういう“ミス”は犯さないと考えていたからね。もしくは、ベース・ルースやウィリー・メイズも満票じゃなかったことから誰もなるべきじゃないと考えたのかもしれない」
記者の気持ちを慮ったヘイマン記者は「正直に名乗り出てほしい」と強調。そして世間の反響を鑑みて「ある一人の狂った人のせいで、変に注目が集まっているのは間違いない」と率直な感想も口にした。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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