キム・イェジュンを渾身の右でリングに沈めた井上。(C)産経新聞社 試合は“アクシデント”なく、戦前の下馬評通りの結末を迎えた。 1月24日、東京・有明アリーナでボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は、挑戦者で、…

キム・イェジュンを渾身の右でリングに沈めた井上。(C)産経新聞社
試合は“アクシデント”なく、戦前の下馬評通りの結末を迎えた。
1月24日、東京・有明アリーナでボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は、挑戦者で、WBO世界同級11位のキム・イェジュン(韓国)に4回KO勝ちで3度目の防衛に成功。キャリア通算成績を29戦無敗(26KO)とした。
【動画】井上尚弥、電光石火のKO劇! 韓国のキム・イェジュンを沈めた戦慄の右ストレート
波乱続きの一戦だった。当初、昨年12月24日に対戦予定だったサム・グッドマン(オーストラリア)の負傷で試合が1か月延期になった上に、ゴングまで13日と迫ったタイミングでグッドマンが再び負傷。相手がキム・イェジュンに急きょ変更されるアクシデントが続いた。
相手が突如として変わる異例事態。しかも、相手は「トラブルメーカー」の異名を持つ、タフさを売りにしたスイッチヒッターとあって、やりにくさはあったはずである。
しかし、「25年のキャリアがある。何も動じてない」と語った“モンスター”は、危なげなくチャレンジャーを退けた。
戦前の会見で「最大限のエスペクトを持ってリングに上がって、油断することなく、井上尚弥のボクシングを見せる」と公言していた井上は序盤から主導権をガッチリとキープ。そして攻勢を強めた4回に強烈なボディから顔面へ右ストレートを炸裂。力なくリングに沈んだキム・イェジュンを見かねた敵陣営からタオルが飛んだ。
掲げた「パーフェクト」とのテーマ通りの試合運びを見せた。そんな試合後、傷ひとつついていない顔で会見に臨んだ絶対王者は、第一声で「はい……、今の気持ち……、疲れました(笑)。試合で疲れたというよりも2か月いろいろあったし、中止、相手変更とか肉体ではなく、精神的に正直きつかった」と吐露。さらに「全てが分かる前に終わってしまったという印象ですね」と淡々と試合を決めたKOシーンを振り返っている。
「手応えというのは最初からあったので、それをどういう風にフィニッシュに繋げていくかを考えていました」
格の違いを見せつけた井上は、次戦から米ラスベガス、そしてサウジアラビアと世界進出が決定的となっている。間違いなく今まで以上に世界的な関心を集めていくことになるわけだが、モンスターへの興味は尽きない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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