佐々木のドジャース入りの決断にハレーションは広まった。(C)産経新聞社 球界で賛否両論を呼ぶ決断だった。 今オフにロッテ…

 

佐々木のドジャース入りの決断にハレーションは広まった。(C)産経新聞社

 

 球界で賛否両論を呼ぶ決断だった。

 今オフにロッテからポスティングシステムを利用し、去就が注目を集めた佐々木朗希が1月17日(現地時間)にドジャースとマイナー契約を結んだことを自身のインスタグラムで公表した。

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 日米両球界で「ロウキ・ササキ」の名があっという間にトレンドとなった。そうした反響に呼応するように17日に行った投稿で佐々木本人は「とても難しい決断でしたが、野球人生を終えて後で振り返ったときに正しい決断だったと思えるよう頑張ります」と決意を記した。

 契約と年俸、さらには保証までもが制限される「25歳ルール」の対象選手である佐々木は、契約金が莫大な金額とならないため、市場に出されると多くの球団から関心が集中。最終的にドジャース、パドレス、ブルージェイズの三つ巴の競争となったが、25歳以下の海外選手に使える資金「国際ボーナスプール」の提示額が3球団で最小とされた“銀河系軍団”との契約を決めた。

 もっとも、佐々木の決断にはハレーションも起きている。昨季にワールドシリーズを制覇したドジャースの選手層強化が進んだことで、“強すぎるスターチーム”に他球団ファンから反発が集中。一部ではX上で「もうドジャースは制御不能だ」「(各球団間の)競争バランスが崩れた」と不満も上がり始めている。

 いわば“ヒール(悪役)”を見る視線を向けられる佐々木のドジャース電撃加入。しかし、識者の中には決断に理解を示す者もいる。元アスレティックスの投手で、現在は米スポーツ専門局『NBC Sports』の解説を務めているダラス・ブレイデン氏は自身のXに「この契約は、ササキにとってボーナスプールの枠をはるかに超える経済的な効果がある」と投稿。大谷翔平らスター選手たちと“共闘”する重要性を説いた。

「もし、あなたがフィールド内外での金銭的な成功や青写真を模索している若い日本のスターであるなら、オオタニが築き上げている成功を無視できるだろうか? すでにオオタニとヤマモトを擁するドジャースならば、野球を生きがいにしている国に自分を売り込むことができる。決してトロントやサンディエゴが悪い着地点というわけではない。ただ、ロサンゼルスはシンプルに最高なんだ。あらゆる理由によって」

 フィールド上の成功だけでなく経済的な効果という面でのドジャース移籍のメリットを挙げたブレイデン氏は、「良い選手にお金を使うことが適切に行われるなら、誰もがチームに加わりたいと思うものだ。その勝利の文化を認めなければならない」とも断言。さらに「ドジャースは自分たちに賭け、別の市場(日本)で利益を上げる計画を練り、それが完璧に機能しているだけだ」と続けた。

「ササキがドジャースを選んだことをオオタニのせいにするのか? そうじゃないはずだ。たしかにいくつかのチームはドジャースと同等の投資ができないかもしれない。しかし、年俸の後払い戦略などの抜け穴はどのチームも可能だ。資金を適切に使い、事前に計画し、タイミングに見計らうことは、全てのチームにとって合法である」

 革新的な補強を展開して強くなり続け、米球界の「悪役」となりつつあるドジャース。その中で佐々木がいかなるパフォーマンスを見せるかは大いに興味深いところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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