1月18日、川崎フロンターレが新体制発表会を行った。新たなチームがお披露目となったこの日、竹内弘明強化本部長が取材に応…
1月18日、川崎フロンターレが新体制発表会を行った。新たなチームがお披露目となったこの日、竹内弘明強化本部長が取材に応じた。
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昨季までのチームで言えば、川崎フロンターレとアビスパ福岡とではかなり違った戦い方を採っていた。今季からその福岡を指揮していた長谷部茂利監督を招聘したとはいえ、竹内弘明強化本部長は「福岡のサッカーをそのまま持ち込んで来てほしいというわけではない。そこはしっかり話をしている」と説明する。
あくまでも川崎が目指すのは“攻撃的なサッカー”だ。「技術を元に相手陣に押し込んだサッカー。サッカーなのでどうしても“行ったり来たり”もあるかもしれないですけど、長い時間押し込みたい」と説明するもので、「押し込むけれども、やっぱり強度高く、サッカーとして攻守の切り替えがしっかりできるような守り方。その意識の問題も含めてしっかりやってくれれば、ある程度戦えるんじゃないかなと思ってます」とイメージを膨らませる。
「この戦力とスカットだったら、どういうサッカーができますかねっていうところからの始まり」だったとして、「それに対して(長谷部監督)思い描くイメージと、我々が思い描くようなイメージがそんなに違いがなかった」ことで、「長谷部さんに任せたい」と決断につながったという。
さらには、「攻撃の構築の部分などで聞く耳も当然持ってくれてますし、そういうのが本当に融合していけばどんどんどんどんバージョンアップしていける」とも話して、攻撃的なサッカーを進化させようと見据える。
■フィロソフィーの言語化作業
攻撃的なサッカーと言っても幅広いが、川崎フロンターレにはクラブの名前を出すだけで多くの人が思い描くサッカー像がある。昨年、竹内強化本部長自身が「フィロソフィー」という言葉を使ってその継続の重要性を説き、長谷部監督も始動日、そして必勝祈願と改めて「フィロソフィーを大事にしたい」と力強く意気込んでいた。
そのフィロソフィーについて聞くと、現在、取り組んでいる動きをこう言葉にする。
「皆さんの中で(川崎らしさが)なんとなくイメージができてきた中で、これから先に進むために言語化していく作業をやった方がいいということで、昨年からウチの伊藤(宏樹テクニカルダイレクター)や向島(建スカウト)、アカデミーのいろんな人に(加わってもらいながら)、“川崎らしさとは何か”を言語化しようとしてます。
皆さんがイメージしてるようなボールを大事に扱うとか、しっかり人を見てサッカーをするとか、主体的に考えること、あるいは、矢印を自分に向けることとか、当たり前のことを改めて確認をしようと。これからもう少し形にして、しっかりしたものを(描きたい)。
ただ、そこで終わっちゃうと成長が止まるので、長谷部さんの元でバージョンアップすることがあればそこに修正していくっていうのがフィロソフィーだと思うので、しっかり取り組んでいきたい」
■「チャレンジさせてあげたい」
この新体制発表会で改めて確認したタイトルという目標。シルバーコレクターと呼ばれたチームが2017年に初めてタイトルを獲得すると、その後の7年間で7個の星をつかみ取ってきた。無冠時代と栄光との違いを短期間で体感しているからこそ、その重要性を知っている。
「やっぱり何事も一歩踏み出させないとスタートしないと思ってますし、それをうまくマネジメントしてくれる監督だからこそチャレンジさせてあげたい」
こう話す竹内強化本部長は19日から沖縄入りし、そのチーム作りを改めて間近で見守る予定だ。
チームは公開する分だけで2つのトレーニングマッチを行い、さらに非公開で2試合を戦って形を作っていく。浦項戦で、そして、Jリーグ開幕戦でどのようなチームを披露するのか、注目と期待が高まる。
(取材・文/中地拓也)