1月18日、川崎フロンターレが新体制発表会を行った。新たなチームがお披露目となったこの日、竹内弘明強化本部長が取材に応…

 1月18日、川崎フロンターレが新体制発表会を行った。新たなチームがお披露目となったこの日、竹内弘明強化本部長が取材に応じた。

 今季の川崎は新たな挑戦に挑む。これまで8年にわたって川崎を率いて7冠を獲得した鬼木達監督が昨季限りで退任。今季は、アビスパ福岡で24年まで指揮を執っていた長谷部茂利監督を招聘した。福岡で安定したチーム作りを見せ、その在任期間にチーム初めての主要タイトル獲得の栄誉をもたらしたことを評価しての人事である。
 その新監督を迎えてどのようなチーム作りをしていくか――その考えの一端が表れるのが新戦力だろうが、今回はそれが読み取りにくい。というのも、今年の川崎は選手構成としては既存戦力をベースに戦うこととなったからだ。新卒加入選手は4人いるものの、他クラブから獲得したのは伊藤達哉のみである。
 選手の入れ替わりが激しい近年のサッカー界において、異例とも言える既存戦力をベースとしたスカッド編成。その経緯と狙いについて竹内弘明強化本部長に聞けば、「編成を考えていく中で、ウチには力のある選手がいるのが一番(の大きな理由)」とし、「選手と面談する中で、“このクラブでもう1回やりたい”っていう選手が非常に多かった。やっぱりチームなので、そういう選手で今後も戦うのが一番いい」と考え方を明かす。
 なお、長谷部監督とのコミュニケーションを取りながらだったのか尋ねれば、「そうですね」と力強く首肯したうえで、「(長谷部監督が)福岡の監督時代にスカウティングとかでよく見てくれていたので、選手の特徴や良さ、そういうのも全部理解いただいていた。その中で、この戦力をベースにっていう形となった」と明かす。
 現時点で、川崎の強化部が積極的に動いている補強案件はない。ウインドウ自体は開いているため、動きや大きな怪我があれば動く可能性はあるとしつつも、新体制発表会時点でのスカッドに満足しているという。

■「そんなに口を出すクラブではない」

「リーグ戦を取るとすると、(得点は)2点以上、失点は1点以下。これをやっていけば、自ずと上位には食い込んでいける。そこを目指していくために修正をしていく」
 竹内強化本部長はリーグ奪還に向けて、そうした数字を思い描く。
「基本的には鬼木監督同様、ある程度サポートして、しっかり状況を見て、やっていければと思います。そんなに口を出すクラブではない」
 こうも話し、監督のやり方を最大限に受け入れる見通しだ。
 チームの初公式戦は海外でのACLE・浦項戦となる。その後、早くも過密日程が続くこととなるが、そんなチームについては次のように語る。
「去年の段階で鬼木監督がいいところにつけてくれて、崩れるかもしれないような状況の中でしっかりマネジメントしてこの結果を繋いでくれた。(ACLEの)あと2戦でしっかり勝点を1でも3でも6でも取れれば次に進めるので、そのためにやっぱり簡単に負けないチームをまずは作っていかなきゃいけない。そこからいろんな課題が出るでしょうし、そのエラーを修正しながらやっていければいい」
 長谷部監督は新体制発表会でACLEのタイトルへの強い気持ちを口にしたが、そのために、チーム作りの序盤として負けないチームを狙うことになる。
(取材・文/中地拓也)
(後編へつづく)

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