第72回日経新春杯(19日/GII、中京芝2200m)には、3連勝の上がり馬ヴェローチェエラ、重賞2勝のメイショウタバル、エリザベス女王杯3着のホールネスなどが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「サンライズアース」を取り上げる。

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■サンライズアース

【中間調整】取り消し明けで臨んだ昨年2月のすみれSを快勝。皐月賞は終始集中できず、4角では他馬の動きにつられて外へ逃避するなどの若さを出し12着凡走も、続く日本ダービーは序盤最後方から道中大きく番手を上げいったん先頭をうかがうというロスの大きな内容ながら、直線踏ん張って0秒7差4着(15番人気)と大健闘を果たした。このレースで掲示板に載ったほかの4頭ダノンデサイル、ジャスティンミラノ、シンエンペラー、レガレイラという顔ぶれを見れば、強引な競馬ながら割って入ったサンライズアースの能力は相当高いと考えていいのではないか。

その後放牧休養を挟んで秋の大きなところを目指す予定も、夏負けの影響で体調が整わず復帰は延び延びに。涼しくなってようやく状態が戻ってきたことから年明けに使えるメドが立ち、日経新春杯を目標として12月上旬に栗東へ帰厩している。15日に坂路15-15をこなしたのが初時計。年明けからはCWで負荷を掛けはじめ、1月9日のCW併せ馬では目標とした古馬2勝クラスを豪快に抜き去り5馬身突き放して先着を果たした。

【最終追い切り】レース当週は池添騎手が騎乗し、坂路で併せ馬を行った。直前追いでも激しい追い比べで負荷を掛けてやり、改めて復帰戦が迫っていることを確認させるような内容。ラストは脚力の違いを示すように抜け出し、1馬身の先着とした。

【見解】最終追いの坂路4F53秒7(一杯)は自己ベスト。以前の自己ベスト(4F54秒1)マーク時は12秒6-12秒9とラストの粘りを欠いたが、今回は12秒3-12秒2とわずかながらではあるが加速ラップを踏めており、より数字としての価値は高い。また2週前、1週前、最終追いと3週連続ハード追いは激走した日本ダービーと同じパターンだ。もちろん8カ月ぶりの実戦なだけにレースに出てどうかという懸念はつきまとうが、意欲的な攻め気配と底知れぬポテンシャル、そしてハンデ56キロなら上位争いの資格十分。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。