第72回日経新春杯(19日/GII、中京芝2200m)には、3連勝の上がり馬ヴェローチェエラ、重賞2勝のメイショウタバル、エリザベス女王杯3着のホールネスなどが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「キングズパレス」を取り上げる。
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■キングズパレス
【中間調整】昨年は新潟大賞典2着、七夕賞2着、新潟記念3着と、もどかしさもありつつGIII戦線で崩れず。GI初挑戦の天皇賞・秋はさすがに相手が強く、他馬が躓いた影響を受ける不利もあり12着と1年半ぶりに馬券外。続く前走・中日新聞杯はGIIIの相手関係で巻き返しに期待されたものの、道中は18頭立て17番手追走となり、最後は最速の末脚で追い込むも5着まで。主戦・松岡騎手の負傷のため、M.デムーロ騎手に乗り替わった影響は少なからずあったかもしれない。
まとまった休みを取らず稼働を続けているが、健康状態は維持できているようで陣営は在厩調整で続戦を決定。「前走で重賞を勝てる馬なのはわかった、もう1回乗りたい」というM.デムーロ騎手の“泣きのもう1回”の要望を容れ、引き続き同騎手とのコンビで日経新春杯へ進むこととなった。12月20日に坂路14-14で初時計、25日はウッド13-13をこなすなどひとまずは順調。1月9日の1週前追いは松岡騎手が跨り、ウッドで併せ馬。古馬1勝クラスに追走先着ではあったが、反応にやや鈍さがあり通常は11秒台のラスト1Fは12秒0(強め)と要してしまった。
【最終追い切り】最終追いも松岡騎手が騎乗。ウッドで4馬身先行した相手にスッと取り付き、馬なりを保って併入としたが若干のぎこちなさはあり、ラスト1Fは12秒1までだった。
【見解】常に稽古駆けする馬で、本来ウッド調教のラスト1Fは11秒台前半~中盤をコンスタントに出せる馬。それを考えるといずれも12秒台に終わった今回の1週前、最終追いは物足りなさを感じるところ。モタれるゆえ不得手とされる右回りでの調整という事情はあるにせよ、さすがに使い詰めの疲れがあるのかもしれない。松岡騎手であとワンパンチを欠いていたこともあり、中日新聞杯で“代打”依頼に応えてくれたM.デムーロ騎手を連続で起用することとなったが、前走のチグハグぶりを見るとやはり本来の主戦に戻したほうが……の感もある。もちろん志願の騎乗だけにガラッと違う結果を出してくる可能性はなくはないだろうが、ギリギリであろう体調面も込みで大きく信頼するのは禁物かもしれない。
総合評価「B」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。