ここ数年、クラシックにつながる重賞はノーザンファーム生産馬の寡占状態だが、どういうわけか京成杯(3歳・GIII・芝2000m)は事情が異なる。というのも、社台ファーム生産馬が圧倒的に強いのだ。10年以降の15回に限っても、ノーザン3勝に…

 ここ数年、クラシックにつながる重賞はノーザンファーム生産馬の寡占状態だが、どういうわけか京成杯(3歳・GIII・芝2000m)は事情が異なる。というのも、社台ファーム生産馬が圧倒的に強いのだ。10年以降の15回に限っても、ノーザン3勝に対し、社台は6勝。しかも近3年は22年のオニャンコポン、23年のソールオリエンス、そして昨年のダノンデサイルと3連覇中となっている。そこで今年登録のあった社台ファーム生産の3頭を紹介したい。

 エース格はパーティハーン(牡3、栗東・友道康夫厩舎)だ。父Wootton Bassett、母グリーンバナナズ、母の父Green Tuneの血統。父は欧州のトップサイアー。全姉のアウダーリャ(Audarya)は20年に米G1・BCフィリー&メアターフ、仏G1・ジャンロマネ賞を制している。23年のセレクトセール1歳では2億7000万円(税抜)の高値となった。ここまで2戦1勝。昨年10月の京都の新馬(芝1800m)は2着だったが、続く11月の京都の未勝利(芝2000m)で初勝利を挙げた。それも2着を5馬身も突き放しての圧勝。血統のイメージそのままのポテンシャルの持ち主とあって、ここでも期待大だ。

 美浦からはパッションリッチ(牡3、美浦・久保田貴士厩舎)が参戦する。父ドゥラメンテ、母セータコローナ、母の父Distorted Humorの血統。昨年8月の新潟の新馬(芝1800m)でデビュー勝ち。その後はアイビーSが8着、葉牡丹賞が4着だが、ともに出遅れが堪えた印象だ。今回も発馬がカギだが、初戦のようにある程度の位置で運べれば、上位に食い込むシーンがあっても不思議ない。そしてもう1頭は先週のシンザン記念を除外となったミニトランザット(牡3、栗東・杉山佳明厩舎)だ。昨年11月の京都の新馬(芝1600m内回り)を逃げ切り。2000mへの距離延長がポイントだが、リズム良く先行できれば面白い。昨年のフェアリーSを制した全姉のイフェイオンに続き、新春の中山でのタイトル獲得を狙う。

 社台ファーム生産馬の4連覇、そして23年以来2年ぶりのワンツーまであるのか。そういった視点でも要注目の一戦となる。