NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25ディビジョン3 第3節2025年1月11日(土)12:00 栃木県グリーンスタジアム (栃木県)狭山セコムラガッツ 58-10 ルリーロ福岡グミが好…

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第3節
2025年1月11日(土)12:00 栃木県グリーンスタジアム (栃木県)
狭山セコムラガッツ 58-10 ルリーロ福岡

グミが好きなパワフルセンター。25歳を迎えて臨んだ初先発の試合で躍動


狭山セコムラガッツの中洲晴陽選手。「お菓子が好きで、特にグミ系にハマっています」

今季からディビジョン3に参戦したチーム同士の対戦。試合は立ち上がりから積極的なアタックを見せた狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)が前半だけで6トライと流れを引き寄せ、最終的には58対10と大差をつけてルリーロ福岡を下した。

前節から6人を入れ替えて挑んだ狭山RG。チームのムードメーカーとして親しまれる忽那鐘太が、リーグワン初出場し、巧みなゲームメークでチームに勢いをもたらした。またスタメン復帰となったキャプテン・飯田光紀は、持ち前の強烈なタックルを見せるなどディフェンス面で貢献し、この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた。

チーム力の底上げを掲げる狭山RGにとっては、新たに先発出場した選手たちが結果を残したことは、今後の大きなプラスとなる。そんな中で注目したのは、中洲晴陽だ。ここ2試合で途中出場はしていたものの、「スタメンは初めてだったので、緊張はありました」と言う。それでも、「みんなが声を掛けてくれて、自分の仕事に集中することができたので、チームの勝利にも貢献できたと思います」とチームメートへの感謝を口にした。試合では、見事なタックルで相手の攻撃を食い止める場面が多数。「これまで、ディフェンス面の課題があった。だから今日の試合ではディフェンス面で相手に強烈なインパクトを残そうという気持ちで挑んだことが、結果につながったんじゃないかと思います」と振り返った。

活躍した試合後でも、慢心はなかった。「次節はビジターでの戦いで雰囲気も違ってくる。まだミスも多いので、自分たちがやるべきことをもう一度見直し、どんな展開になっても堅実なプレーを心掛けたい」と気を引き締めていた。

試合前日に25歳の誕生日を迎え、チームメートからもたくさんのプレゼントをもらったという。「お菓子が好きで、特にグミ系にハマっています。みんな、それを知っているので、いろいろもらえてうれしかったです」と笑顔を見せた。屈託のない笑顔からは想像のできないパワフルなプレーが魅力の中洲。3歳から始めたラグビーをより極めるべく、さらなる努力を続けていく。

(松野友克)


狭山セコムラガッツ


狭山セコムラガッツのスコット・ピアス ヘッドコーチ(右)、飯田光紀キャプテン

狭山セコムラガッツ
スコット・ピアス ヘッドコーチ

「前半はそこまで悪くはなかったと思っています。ハーフタイムには規律がすごく大事という話をしたが、前の試合、その前の試合と同じようにミスが出ていました。みんな練習では完璧にやるけれども、状況判断をもっと早くしなければなりません。例えば、押すとき、倒れた際など、もちろんいろいろと変わる中で、いまの判断はちょっと遅いと感じています。次の相手の中国電力レッドレグリオンズは、フォワードがすごく強いので、そういう状況判断の部分を求められます。そこが直らないと、結構キツい戦いになるでしょう。

前半は、完璧ではないがいいところはありました。まあ、完璧な試合はまだ見たことがないけど……。良い感じでやるときに良い結果が出ます。映像などを見ながら、ちょっとどうなるか分からないけど、ステップアップをしていかないといけないです。いつもその話をしています。スポーツは下りのエスカレーターを昇っていくようなもので、止まったら下がるだけ。だからいつもチャレンジ、チャレンジで、前にいかなきゃいけないのです。練習、試合、自分の準備、そういうところにフォーカスするなら、このチームは、結果は出ると思います。その力はあるので」

──スターティングメンバーの変更もありましたが、起用した選手たちについての動きはどのようにご覧になられましたか。

「悪いところはあまりなかったと思います。ディビジョン3の舞台では、ほとんどスターティングメンバーは分からないようなもの。前のメンバーからいろいろな動きがあるので、そこが大事になる。今日のチャレンジは、今日入った選手のエラーじゃありません。これまでスターティングメンバーで出ていた選手のミスです。悪くはないけど、ちょっとミスが多過ぎます。これまでは試合の前に決まったことを試合でしっかりとやれていました。なぜエラーが出たのかは分からないのですが、毎週チャレンジしていくしかないと思っています。

このチームのレベルを上げなきゃいけないという話です。ラグビーの場合は、一人がすごい影響を与えることもあるけれど、チームスポーツだから、もっとチームソリューションができてくれば、もっといい結果が生まれると思います。さっきも言ったように今日の試合は悪くないけど、D2に上がりたいのであれば、そういうことが大事になると思っています」

狭山セコムラガッツ
飯田光紀キャプテン

「結構前半の入りが良くて、トライも重ねられたんですが、さっきスコット(・ピアス ヘッドコーチ)も言ったように、後半に結構ミスが起きているから、そこの部分を集中してスコアを取らないと、やっぱり強い相手に絶対勝てないと思うし、競った試合にも勝てないと思うので、そこの部分は次に向けてしっかりコミットして、練習で直して、次の試合に向けて準備できたらいいなと思います」

──前半の終盤あたりから、少しミスが目立ち始めた印象があったのですが、その点はグラウンド内で、どのように感じていましたか。

「良い入りはできたんですけど、前半の終盤くらいから相手にボールを握られる時間が多くなりました。ディフェンスも守れていた部分はあったんですけども、息が上がった状態で、フロントの寄りのところや、後ろの押しが弱くなったところでペナルティを取られている場合もありました。より競った試合になれば、疲れたときにどれだけハードワークができるかが大事になります。その部分はしっかりと強化していきたいです」

──次戦は、チームとして初のビジターゲームになります。雰囲気もホストゲームとは違うと思いますが、そこに向けての意気込みを聞かせてください。

「ビジターの雰囲気はすごくあると思うので、それに呑まれることがないようにしたいです。自分たちのパフォーマンスをしっかり出せば勝てる相手だとは思うので、しっかりといいパフォーマンスをして、チームをいい状態に持っていけるように、この1週間しっかりやっていきたいと思います」

ルリーロ福岡


ルリーロ福岡の豊田将万ヘッドコーチ(左)、三股久典キャプテン

ルリーロ福岡
豊田将万ヘッドコーチ

「今日で3戦目ということで、過去2回を振り返って、自分たちにフォーカスして準備してきました。前半の入りから、狭山セコムラガッツさんのいいアタックで勢いを付けられて、自分たちのラグビーができませんでした。もう少し時間を作ることができれば、相手に通用していた部分もあったので、そういう時間を増やすためにも、映像などをじっくり見て、次戦に生かしていきたいなと思います。初めて栃木で試合をさせていただいたんですが、多くのお客さんに来ていただいて、すごくいいグラウンドで、この素晴らしい感動をいただいたことは、非常に感謝しています。ありがとうございます」

──立ち上がりの部分でどういう入り方を狙っていたのでしょうか。

「先手を取りたい気持ちがあったので、そのためにはこちらからしかけたいということは、私のほうから話していたことです。ですが、ペナルティや、ミスが出たことで、相手に先制されてしまいました」

──後半29分、サイドへの素晴らしい展開でトライを挙げましたが、あのような攻撃がもう少し前に出ていれば、もう少し違う展開にもなったかと思いますがいかがでしょうか。

「そうですね。今週に限ってはフェーズの数にこだわらず、局面で、全員でラインをしっかり取りにいくというふうに言ってきたので、結果ああいう形でボールをつなぐことができてトライが取れたというのはいい形だったかと思います」

──次節で初勝利を奪うために、どのような点を改善していきたいと思いますか。

「現状で言えることとしては、今までずっと課題だったセットピースのところで、今日もスクラムではペナルティを取ったり取られたりというところはありました。相手のラインアウトからのセットしたディフェンスに関しては、すごくいい対応とアプローチをしてくれていました。ラインアウトは選手が中心になって自分たちの課題を見つけて、ゲームの流れをつかむことが大事なポイントだと思っています。そこをクリアしてくれたのは成果の一つだと思います。こうやってできることを一つずつクリアして成長していくしかないです。今回出た課題を次に持ち込まないように、勝利というところに近づけていきたいなと思います」

ルリーロ福岡
三股久典キャプテン

「今週の準備からは、やることはブレることがないように意識していました。自分たちのラグビーを100%準備して、試合で体現しようという話をしていました。前半から自分たちのラグビーをして勢い付けてから、トライを量産していこうという形だったのですが、自分たちがしたいラグビーを狭山RGさんにやられてしまいました。次戦もタイトなスケジュールにはなりますが、しっかりと100%の準備をして挑みたいと思います」

──後半29分、サイドへの素晴らしい展開でルリーロ福岡はトライを挙げましたが、あのような攻撃がもう少し前に出ていれば、もう少し違う展開にもなったかと思いますがいかがでしょうか。

「難しい状況からしっかりリズムを作ってルリーロらしいアタックが前半はできていました。これは継続してやっていこうという話をして後半には入っていったのですが、なかなかトライが取れず、リズムも作れませんでした。それでも要所ではルリーロらしいアタックはできたと思います」

──次節で初勝利を奪うために、どのような点を改善していきたいと思いますか。

「結構タイトなスケジュールで、僕らのチームは本当に限られた時間でしか準備はできないんですが、しっかり選手もチーム一丸になって100%の準備をしていきたいなと思っています」