<大相撲一月場所>◇三日目◇14日◇東京・両国国技館【映像】反響が相次いだ解説の様子「僕が一番、苦しんだ力士ですね…御嶽海関は」 元大関・貴景勝の湊川親方が大相撲中継の解説に登場。力士一人ひとりの長所(ストロングポイント)について自らの学習…
<大相撲一月場所>◇三日目◇14日◇東京・両国国技館
「僕が一番、苦しんだ力士ですね…御嶽海関は」
元大関・貴景勝の湊川親方が大相撲中継の解説に登場。力士一人ひとりの長所(ストロングポイント)について自らの学習と経験を交えて丁寧に語る様子に反響が相次いだ。また御嶽海について言及する場面では、若いころからの目標としてきた存在とも明かし、一つひとつのエピソードに相撲への深い造詣と愛を滲ませ、ファンを大いに楽しませた。
貴景勝として現役時の対戦成績は13勝14敗。ほぼ互角の対戦成績。そんな御嶽海について湊川親方は「同級生ではないですけど、教習所は半年間同期。ずっと上に目指していた存在で、本当に…本当に苦しめられた(笑)」と当時を振り返る。
押し相撲を得意とする御嶽海だが、湊川親方が現役時代に得意としていた突き押しとは若干スタイルが異なる。そのことについて「手の使い方が、ヒジから下が御嶽海関は長いんです。ヒジの長さが長いんです」さらに「僕は中間距離が好きなんですけど、御嶽海関は手の使い方の巧さ。相手のひじへの手のあてがい。自分のまわしを相手のまわしにぶつけるような密着の仕方をしてくる。頭で密着しても引かれたら落ちてしまうが、御嶽海関は自分の締め込みを相手のまわしにぶつけるように、腰をぶつけながら密着してくるので、逆転も食らいにくいですし、やってる方はめちゃくちゃ嫌」と続けた。
「その御嶽海を崩すには?」
そのように聞かれた湊川親方は「あの…崩せなかったから五分の対戦成績だったと思うんですけど(笑)」と謙遜したうえで「御嶽海がいなかったら、今の僕はない。それぐらい20歳ぐらいから対戦して、同じ大関にも上がったので、まだまだ(御嶽海は)なれる。御嶽海関の強さは僕が一番知っていると思います。優勝決定戦もしましたので、僕が一番強いと思っているのでは」と笑顔で明かした。
現役時代に笑顔を見せなかったこと、他の力士と仲良くならずに一定の距離を保っていたことについて「隙を作らないため。情を持ってしまえば、力を100%発揮するのは難しくなってしまうので」とも語った湊川親方。寝ても覚めても相撲のことを考えていた現役生活を卒業し、現在は体重が減り、笑顔は増え、表情も穏やかになり、口数が多く滑らかになった。そんな湊川親方の相撲に対する造詣の深さ。さらに相撲愛、他の力士に対する分析力と敬意など、御嶽海に対する言葉の一つひとつを聞いたファンからは「こんなの泣く」「よく勉強してる」「すごい洞察力」「相撲愛がスゴイ」「解説面白すぎる」など、多くの反響が寄せられていた。なお取組では御嶽海が美ノ海を寄り切って2勝目、敗れた美ノ海は2敗目を喫した。(ABEMA/大相撲チャンネル)