ダカールラリー2025は1月12日、アルダワディミ周辺をループするステージ7(481km)が予定されたが、前日の走行が夜遅くまで長引いたことで短縮。それでも400kmを超える走行に競技者が挑んだ。 アルティメイトクラスは、ロードブックの誤記…

ダカールラリー2025は1月12日、アルダワディミ周辺をループするステージ7(481km)が予定されたが、前日の走行が夜遅くまで長引いたことで短縮。それでも400kmを超える走行に競技者が挑んだ。

アルティメイトクラスは、ロードブックの誤記によって混乱が生じた。総合4番手を争うナッサー・アル‐アティヤ(ダチア・サンドライダー)、前日にステージウインをマークしたギヨーム・ド・メビウス(ミニ・ジョンクーパー・ワークス・ラリー)を含む上位グループは、通過ポイントを探すために1時間近くをタイムロス。主催者はその後、ロードブックの誤記が発生した20kmの区間をタイムから除外することを発表した。

再計算されたタイムにより、首位に立つヘンク・ラテガン(トヨタGRダカール・ハイラックスEVO)にはプレッシャーがかけられ、2番手で追うヤジード・アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス)は、わずか21秒差にまで迫ってきた。さらに、3番手マティアス・エクストローム(フォード・ラプター)との差も10分程度にまで詰まっている。

さらに、6度目のダカール制覇を目指すアル‐アティヤも、じわじわとポディウム圏内に近づいている。再計算されたタイムにより、ラテガンまで約22分差まで追い上げて残る5ステージに臨む。

「ロードブックの作成はしっかりと行い、何度も何度もチェックしなくてはならない。今回のことは、本当に多くの車両に大きなリスクを負わせた。幸い、自分たちはすべて順調に進みマシンも良かった」とアル‐アティヤは懸念を見せた。

TGRのルーカス・モラエス(GRダカール・ハイラックスEVO)は、前日、ショックアブソーバーの破損により3時間以上という大幅なタイムロスを喫したが、この日は今大会初のステージウインをマークする快進撃で、世界ラリーレイド選手権での貴重なポイントを獲得した。

「昨日のトラブルがあったため今日は後方からのスタートとなったことで、道を見つけやすくなった。母国のブラジルのためにも、トヨタのためにも、ステージウインを獲ることができてハッピー。昨日のことがあったので、強さを取り戻すことがすごく重要だった。チャンピオンになりたければ、過去にとらわれず、迅速に前進することを学ばなければならない」とモラエス。

この日は、エクストロームとチームメイトのミッチ・ガスリーJr.が2番手、3番手タイムをマーク。今回初めてアルティメイトクラスに挑んでいる米国のガスリーJr.にとっては、初めてのトップ3タイムとなり、総合順位でも5番手と健闘している。
「中盤はバタバタしてしまいナビゲーションのトラブルがあったが、それでもいいステージになった。ダストでスタックしてしまい、みんなが一緒になってしまったのはちょっと残念だった。かなりめちゃくちゃなステージだった」とガスリーJr.。





ガスリーJr.と同様にレッドブル・オフロード・ジュニアチーム出身のセス・キンテロ(GRダカール・ハイラックスEVO)とクリスティーナ・グティエレス(サンドライダー)も、このステージはそれぞれ5番手、6番手タイムをマークした。
「ナビゲーションの面ですごく難しいステージだった。たくさんのクルマが同じ場所で迷い、みんながひとつのグループになった。ダストのために、抜くのが難しかった。自分たちはパンクもあったが、それでもすごくいいタイムをマークできた」とグティエレスは一日を振り返った。

ダカール2025暫定リザルト(ステージ7終了時点)
1 H.ラテガン(トヨタGRダカール・ハイラックスEVO) 37:13:08
2 Y.アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス) +00:21
3 M.エクストローム(フォード・ラプター) +10:25
4 N.アル‐アティヤ(ダチア・サンドライダー) +21:57
5 M.ガスリーJr.(フォード・ラプター) +40:01
6 M.セラドーリ(センチュリーCR6) +54:20
7 J-C.ヤコピーニ(トヨタ・ハイラックス) +1:13:05
8 S.キンテロ(トヨタGRダカール・ハイラックスEVO) +1:28:32


前日、三浦昂/ジャン・ミッシェル・ポラト組の500号車、ロナルド・バソ/ジャン・ピエール・ギャルサン組の501号車と2台のランドクルーザー300GRスポーツがそれぞれトラブルに見舞われたチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、ビバークで夜を徹しての修復作業を行い、スタート時間に2台をステージに送り出した。三浦はこの日はタイヤの空気圧を調整するバルブが閉じていて使えないハプニングに見舞われたが、パンクやスタックはなく市販車(ストック)部門トップタイムをマーク。バソはスタート間もなく岩に乗り上げて動けなくなり、約30分かかって抜け出すこととなった。その後、パンクにも見舞われたが、スタートにたどり着いた。バソと三浦は、部門累積順位では1‐2体制を維持している。
「昨日は色々とありましたが、今日は大きなトラブルなく走り終えることができて良かったです。エアボンベのバルブは普段はメカが開けておいてくれるのですが、忙しくてそれどころではなかったのだと思います」と三浦は状況を語っている。

HINO600シリーズでトラック部門に参戦する日野チームスガワラの菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組は、前日のブレーキトラブルをきっちり修復してこの日は快走。部門9番手タイムでフィニッシュし、累積順位の部門7番手を維持した。
菅原は「今日はトラブルもなく良い一日。思ったよりガタガタ道が多い印象でした。そういう区間では大型勢が速いですね。最後に出てきた砂丘では直前の降雨の影響も感じましたが、埃も酷かったです」と菅原。