ダカールラリー2025は1月10日の休息日を経て11日に競技が再開。この日は、ハイル〜アルダワディミ間にステージ6(434km)が設定された。大会も後半に突入し、順位を守りたい上位陣に食い込もうと、多くの競技者が追い上げに挑んだ。 この日は…

ダカールラリー2025は1月10日の休息日を経て11日に競技が再開。この日は、ハイル〜アルダワディミ間にステージ6(434km)が設定された。大会も後半に突入し、順位を守りたい上位陣に食い込もうと、多くの競技者が追い上げに挑んだ。

この日は、Xレイドラリーチームから参戦するベルギーのギヨーム・ド・メビウス(ミニ・ジョン・クーパーワークス・ラリー)が今大会初めてのステージウインを奪取。前半で苦戦を強いられたため総合順位ではポディウムを狙うのは難しい状況だが、ここから先は砂丘での走りを楽しむ意気込みを見せている。

「一週目は厳しい内容だったので、二週目はプッシュしていく。目標は世界ラリーレイド選手権のポイントを獲得することと、トップ10圏内でフィニッシュすることだ」と語るド・メビウスは、現在、首位を堅守しているTGR南アフリカのヘンク・ラテガン(トヨタGRダカール・ハイラックスEVO)に3時間43分遅れの18番手につけている。

総合順位のポディウム争いに向けて猛プッシュをかけたのが、ナッサー・アル‐アティヤ(ダチア・サンドライダー)。この日は3番手タイムをマークし、総合順位は4番手と変わらないものの首位ラテガンとの差を4分半以上詰めた。

「30km地点からステージを開く役目になった。砂丘では楽ではなかったが、いい仕事ができた。もっと速さを高めてタイムロスを取り戻せるはずだ」とアル‐アティヤも気合いを見せている。





一方、ポディウム圏内を死守しているのは、Mスポーツ・フォードのマティアス・エクストローム(フォード・ラプター)で、首位ラテガンとは22分、2番手のヤジード・アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス)とは15分差となっている。

「ベストを尽くし、このステージもフィニッシュまでたどり着いた。まだ先は長いし、たくさんのファイトが待っている」とエクストロームは気を引き締める。

トヨタ・ガズーレーシングのルーカス・モラエス(GRダカール・ハイラックスEVO)は、総合5番手でこの日をスタートしたが、ダンパー破損に見舞われ、トヨタ・ハイラックスをドライブする父のマルコス・モラエスの支援を受けた。最終的に走行を再開することはできたが3時間以上のタイムロスを喫し、総合順位ではトップ10圏内から陥落している。

ダカール2025暫定リザルト(ステージ6終了時点)
1 H.ラテガン(トヨタGRダカール・ハイラックスEVO) 32:51:36
2 Y.アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス) +7:16
3 M.エクストローム(フォード・ラプター) +22:27
4 N.アル‐アティヤ(ダチア・サンドライダー) +30:25
5 M.ガスリーJr.(フォード・ラプター) +50:16
6 M.セラドーリ(センチュリーCR6) +56:28
7 J-C.ヤコピーニ(トヨタ・ハイラックス) +1:16:48
8 S.キンテロ(トヨタGRダカール・ハイラックスEVO) +1:36:37


日本勢では、ランドクルーザー300GRスポーツをベースとしたラリーカーで市販車部門(FIAストッククラス)を戦うチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、三浦昂/ジャン・ミッシェル・ポラト組の500号車が駆動系、ロナルド・バソ/ジャン・ピエール・ギャルサン組の501号車が制御系のトラブルに見舞われ、タイムロス。それぞれ規定時間内にはステージを走り切り、遅い時間にビバークに帰着した。
「終盤に駆動系のトラブルが発生した時は周りが暗くて状況が分からず、脱出するのは大変でした。頑張ろうと思うとトラブルに足を引っ張られる状況はとても残念ですが、ゴールを目指して頑張ります」と三浦は状況を語っている。

HINO600シリーズでトラック部門に参戦する日野チームスガワラの菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組は、終盤200kmでブレーキが効かなくなるトラブルに見舞われながらも、部門7番手タイムでフィニッシュ。累積でも部門7番手を維持した。
菅原は「トランスファー区間で右前輪のホイールハブが濡れているのを発見し、ハブリダクション機構からの漏れと思ってオイルを足しましたが、ブレーキでした。残り200kmくらいから効かなくなり、シフトダウンで減速しながら砂丘を越えてきました。また、残り100㎞ぐらいで日が暮れたのでペースを抑えました。全部で30分ほどのロスだったと思います」と語っている。