昨年9月、マリーゴールドから世界最大のプロレス団体WWEに移籍し、以後、NXTウィメンズ・ディヴィジョン(女子部門)のトップ戦線で活躍していたジュリアが、現地時間1月7日、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスのシェラインエキスポホールで…

 昨年9月、マリーゴールドから世界最大のプロレス団体WWEに移籍し、以後、NXTウィメンズ・ディヴィジョン(女子部門)のトップ戦線で活躍していたジュリアが、現地時間1月7日、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスのシェラインエキスポホールで行われたPLE『ニューイヤーズ・イービル』で王者ロクサーヌ・ペレスを下し、NXT女子王座を奪取した。

【画像】ジュリアが魅せた衝撃の仕返し

 ジュリアは昨年9月10日にWWE第3のブランドNXTでデビュー。いきなり現US女子王者のチェルシー・グリーンを破ると、10月1日には早くもロクサーヌの持つNXT女子王座に初挑戦。この時はコーラ・ジェイドの介入もあり王座獲得はならなかったが、12月7日に5選手参加の「アイアン・サバイバー・チャレンジ」を制して再び王座挑戦権を獲得。今回、2度目の王座挑戦で王者ロクサーヌから必殺のグロリアスドライバーでついに3カウントを奪った。

 WWE入りして4カ月でNXT女子王座獲得の快挙を達成した2日後の日本時間10日、ジュリアはオンラインインタビューに応じ、こう喜びを語った。

「(4カ月でベルトを獲れたことに)私もびっくりしてるんですけど、すごい喜びの気持ちがあると同時に『まだまだこれからでしょ』っていう気持ちがありますね。もともとベルトを巻いてからがスタートだと思っていたので、このチャンピオンベルトは、自分がさらに挑戦していくためのチケット。なので、ここからどう自分を表現していくかを考えながら、皆さまに最高の試合を届けていきたいと思っていますね。

 アメリカに来てからはなんだかあっという間でした。生活面も含めて覚えなきゃいけないことがたくさんあって。アメリカは車社会ですけど、運転も日本とは真逆だし、あとはやっぱり言葉ですね。言ってることは聞き取れるんですけど、まだパパッと返答できなくて片言になってしまうのがダメなところなので。これからですね」

 この4カ月、ジュリアはNXTの試合に出るだけではなく、フロリダ州オーランドにある養成施設、WWEパフォーマンスセンターで、さまざまな訓練を受けてきた。

 「こっちでは日本と比べて技の正確性っていうのがすごい重要視されると感じているので、それをもっと高めていかなきゃいけないと思ってます。あとプロレスのトレーニング以外にイングリッシュクラスが週2回ありまして、そこで英語を学んでいるのと、それとは別にプロモーションクラスというマイクアピールやトーク力を向上させるクラスもあるんですよ。私は日本にいる時から“言葉”をすごく大事にしてきたんですけど、何しろ英語なので。英語でちゃんとアピールできるようにならなきゃいけない。そこが本当に重要かなと思っています」

 今後の目標として「メインロースターに上がること」と、ロウ、スマックダウンへの昇格を挙げたジュリア。その目標は1日もはやくメインロースターに上がりたいのか、それともNXTでしっかりと地力をつけてから上がりたいのかを問うと、次のような答えが返ってきた。

 「それはどちらの気持ちもあります。早くメインロースターには上がりたいんですけど、焦りたくないんですよね。気持ちが焦るとやっぱりいいことはないので。ただ、今までも次から次へとチャンスがやってきた『もう来たの!?  早い!』って感じることも多かったので、その時が来た時に備えて、とにかく今は一つ一つしっかり吸収してレベルアップしていきたいです」

 また、NXT女子王者となったことで、今後はNXTウィメンズ・ディヴィジョンを牽引する存在になることも期待されるだろう。

  「今まで日本でも団体を背負う立場にいたんですけど、いまはアメリカというさらに大きな大きな舞台に変わったので、もちろんそこに恥じないように全力ファイトを見せてきたい。

 今のNXTって身体能力の塊みたいな選手が溢れ返っているんですよ。その中で自分は飛び抜けて身体能力があるわけではないし、飛んだり跳ねたりするタイプではないので。これまで7年間日本で吸収してきた闘いの魂というものを見せて、そのエッセンスをNXTの選手たちにも叩き込んでいきたいなって思います」

 日本時間2月2日のPLE『ロイヤルランブル』では、今年も30人参加の時間差バトルロイヤル「女子ロイヤルランブルマッチ」が開催される。昨年はNXT所属だったティファニー・ストラットンや、ロクサーヌ・ペレスが出場しており、今年、新NXT女子王者のジュリアがサプライズ出場する可能性も十分考えられ「本当、それはわからないけど、気を抜いてはいられないですよね」と、あらためて気を引き締めたジュリア。

 2025年に入りWWEでは、女子世界王者のリア・リプリー、WWE女子王者のティファニー・ストラットン、そしてNXT女子王者のジュリアと、3人の新チャンピオンが誕生。この3人には新時代の旗手として大きな期待がかかっている。

 「私は日本でも時代を築いてきたと思っているし、舞台は違えど、誰もができることではないと思うので。自分にしか見せられないものをどう見せていくか、そこを追求していきたいですね」

 そして究極的には、現在のWWE女子の頂点に君臨する超人気スーパースター、リア・リプリーとの対戦も熱望する。

  「彼女はまず身体が素晴らしいし、ルックスが個性的で試合も本当にダイナミック。オーラが強すぎて、みんな彼女に目が行くんですよね。彼女のことが嫌いな人っていないんじゃないですか。私も日本にいた時から『カッコいいな』と思っていて、メイクアップや試合の見せ方も含めてすべてリスペクトしています。そして私もいつか彼女とリング上で並んだ時、存在感でも互角に闘えるように、もっともっとがんばっていきます!」

 日本の女子プロレス界のカリスマだったジュリアが、WWEでも世界のカリスマになれるのか。今回のNXT女子王座奪取を新たなスタート地点として、その成長過程を見届けずにはいられない。

文/堀江ガンツ
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