屈強な男たちに囲まれると、その小柄さが際だつ。ラグビー・リーグワンで2連覇をめざすBL東京(旧東芝)の真野泰地だ。身長172センチ。各チーム180センチ台の大柄な選手が多いCTBで、大きな存在感を放っている。 11日の浦安(旧NTTコム)…

 屈強な男たちに囲まれると、その小柄さが際だつ。ラグビー・リーグワンで2連覇をめざすBL東京(旧東芝)の真野泰地だ。身長172センチ。各チーム180センチ台の大柄な選手が多いCTBで、大きな存在感を放っている。

 11日の浦安(旧NTTコム)戦で、4試合連続の先発を果たしてフル出場。開幕4連勝に貢献した。真骨頂は粘り強い防御だ。5日の神戸(旧神戸製鋼)戦では、ラインアウトから突進してきた189センチ、110キロのナンバー8に果敢にタックル。攻撃を食い止めた。

 「相手に100%でぶつかっても、体の大きさで負けてしまう」。小さくても戦えるよう、独自のタックル方法を編み出した。両腕を相手の体にしっかり巻き付ける。そこから離さなければ、「相手は逆に自分自身の勢いで倒れる」という。

 かつては全力でぶつかっていた。ただ東海大卒業後に、限界を感じた。脳振盪(しんとう)になることが多かったからだ。「このままだと選手生命が短くなる」。トレーナーと相談し、今の守り方にたどり着いた。

 チームの勝利に加え、もう一つ戦う理由がある。自身のような選手が活躍できれば「これから身長が小さな選手もリーグ(ワン)に来てくれる」。次世代の希望になりたいと願っている。(藤野隆晃)