アスレティックスと新たな契約を締結したルッカー。(C)Getty Images 実力派スラッガーの大型契約締結が話題となった。現地時間1月6日にブレント・ルッカーは、アスレティックスと5年6000万ドル(約94億6500万円)で延長契約にサ…

アスレティックスと新たな契約を締結したルッカー。(C)Getty Images

 実力派スラッガーの大型契約締結が話題となった。現地時間1月6日にブレント・ルッカーは、アスレティックスと5年6000万ドル(約94億6500万円)で延長契約にサインしたと、MLB公式サイトなど複数メディアが報じた。

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 昨オフにドジャースと大谷翔平が結んだ10年総額7億ドル(約1015億円=当時のレート)や、今オフにメッツが生んだフアン・ソトとの15年総額7億6500万ドル(約1147億5000万円)など超高額契約が頻発している昨今の米球界の情勢を思えば、ルッカーのそれは「安価」と言えるかもしれない。

 しかし、「自分にとっては大きな誇りだ。ここは僕の居場所だからね」と喜んだルッカーにとっては、決して小さくない価値を持つ契約であった。というのも、2023年にアスレティックスで一大ブレークを遂げた彼は、その前年に日本球界への移籍を模索するほどチャンスに恵まれていなかった。

 MLB公式サイト『MLB.com』のインタビューに応じたルッカーは、20年のツインズ入りから2年間で3球団(ツインズ、パドレス、ロイヤルズ)を渡り歩いていた時代を「目まぐるしい日々だった」と回顧。さらに「あの時、よく代理人と話していたのは、『日本に行けるように頼んでみてくれないか』ということだった。僕らは真剣にそれを検討していた」と赤裸々に告白している。

 同サイトによれば、当時、ルッカーの代理人を務めた代理人のダスティン・ブレッドソーは、NPB球団からのオファーを受諾。その契約規模は「アスレティックスで得られる金額をはるかに上回るものだった」という。実際、日本国内でも22年のオフにオリックス移籍が報じられるなど、NPB移籍はルッカーにとって「決して突飛なアイディアではなく、真剣に考えるべきものだった」。

 そんな30歳に向け、手を差し伸べたのはアスレティックスだった。22年11月にウエーバー公示を経て契約を果たすと、23年の開幕ロースター入りを奪取。瞬く間に主軸として成長し、迎えた24年は145試合出場、打率.293、リーグ4位タイの39本塁打、同3位の112打点をマーク。2年連続で30発以上を放ち、メジャーを代表するスラッガーとなった。

 日本行きから一転し、メジャーでの大型契約を手にするまでに成長したルッカー。「自分は、メジャーリーグでほぼすべてのことを経験したというユニークな立場にある」と紆余曲折のキャリアを振り返ってもいる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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