今オフにカブスへトレードで移籍したタッカー。(C)Getty Images 思わぬ“決裂”が話題となっている。現地時間1月9日、MLBは年俸調停権を持つ選手と所属球団が希望額を提出する期限を迎え、昨年12月にカブスにトレード移籍したカイル・…

今オフにカブスへトレードで移籍したタッカー。(C)Getty Images

 思わぬ“決裂”が話題となっている。現地時間1月9日、MLBは年俸調停権を持つ選手と所属球団が希望額を提出する期限を迎え、昨年12月にカブスにトレード移籍したカイル・タッカーは、球団と合意に至らず。年俸調停に進むこととなった。

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 昨年は6月に負った右すね骨折の影響で出場78試合にとどまったタッカーだったが、打率.289、23本塁打、49打点、11盗塁、OPS.993の好成績をマーク。1対3のトレードでやってきた新天地カブスでも主力としての活躍が期待されている。

 しかし、年俸交渉はシビアな結末を迎えた。米メディア『The Athletic』など複数メディアによれば、タッカーは年俸1750万ドル(約27億6000万円)を要求したものの、カブスの打診は1500万ドル(約23億6000万円)。今オフに年俸調停となった17件のうち、希望額(250万ドル=約3億9425万円)の差は最高額となった。

 今後も両者の交渉は可能だが、25年にFAとなるタッカーは、大型契約が見込まれるため、契約延長にサインする可能性は低い。そのため、ほぼ確実に年俸調停の公聴会に進むと見られている。

 打線の軸として新たに加わったスターと球団の間に生じた“埋まらぬ差”。これには、地元メディアも驚きを隠せない。野球専門サイト『Fan Sided』は「(タッカーのトレード獲得)には明らかにリスクがあったが、スター級の才能を切実に必要としていたカブスにとっては、そのリスクを負う価値があった」と補強そのものを称賛。その上で250万ドルの差額を埋められなかったジェド・ホイヤーGMら球団首脳陣の判断を批判している。

「これはタッカーはもちろん、カブス・ファンにとっても侮辱的な出来事だ。ホイヤーをはじめとする球団の上層部は、プレーをさせる前から彼(タッカー)とチームの将来についてファンに不安を与える原因を与えてしまった」

 また、スポーツメディア『Sporting News』は「カブスの“250万ドル問題”は、オールスタープレーヤーのトレードを台無しにする可能性がある」と断言。「ジェド・ホイヤーはタッカーのトレードを記録的な速さで破綻させようとしている。選手側との関係性は早くも悪化している可能性すらある。もはや言い訳の余地はない。カブスは高給取りだったベリンジャーを放出して節約した資金をチームの強化に再投資していない」と皮肉った。

 果たして、タッカーとカブスはどのような形で折り合いをつけるのか。春季キャンプが間近に迫るなか、その動静が注目される。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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