アメリカ西部ロサンゼルス近郊のパシフィック・パリセーズで1月8日(現地時間7日)に発生した山火事は、3日間経った現在も消火活…
アメリカ西部ロサンゼルス近郊のパシフィック・パリセーズで1月8日(現地時間7日)に発生した山火事は、3日間経った現在も消火活動が続いており、甚大な被害を残している。アメリカのバイデン大統領も「過去最悪」と称したこの山火事は、アメリカでも最も地価の高い高級エリアで起き、焼失するなどした建物は約9000棟にも登り、経済損失は570億ドル(約9兆円)にも及ぶという。
ロサンゼルスには、ロサンゼルス・レイカーズ、ロサンゼルス・クリッパーズの2球団が本拠地を置き、NBAを語る上でも欠かせない都市である。火事が起きたパリセーズはサンタモニカ北西部、レイカーズの本拠地である『クリプト・ドットコム・アリーナ』からわずか車で30分の距離だ。それにより、両球団の関係者にも被害が及んでいる。
『ESPN』のシャムズ・シャラニア記者によると、今季よりレイカーズを率いるJJ・レディックヘッドコーチが、この火災により自宅を焼失したという。
レディックHCは、8日(同7日)に開催されたダラス・マーベリックスとの対戦前に被害の重大さを認め、自身の置かれた状況を以下のように説明している。
「まず最初に、今パリセーズにいる皆さんに心からお見舞いを申し上げ、祈りを捧げます。そこは私が暮らしているエリアです。私の家族、妻の家族、そして妻の双子の妹も避難しました。多くの人が今、とても不安な気持ちに駆られていることでしょう。私の家族もその一部です。特に、火曜日の夜に風が強くなるとの予報を聞き、多くの人が恐怖を感じたに違いありません。こうした状況だからこそ、常に心は側にありたいです。皆さんの無事を願っています」
クリッパーズのティロン・ルーHCは、この火災を受けてカワイ・レナードが家族を最優先にチームから離脱したことを伝えている。レナードは、2021年にパリセーズに自宅を購入。同選手はサンディエゴ州立大学からの関係にあるキーシェル・シプリーとの間に2人の子どもがいる。
「家族を最大限にケアすることが、最も大切なことです。彼には100パーセント賛同しました。彼は家族や子どもたちの様子を確認するために自宅へ戻り、無事を確認しました。彼の家族の無事を知り、今は本当に安心しています」
また、デンバー・ナゲッツに所属しているラッセル・ウェストブルックも、この最悪の事態に心を痛めている。カリフォルニア・ロングビーチ生まれ、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)出身のウェストブルックにとって、ロサンゼルスは大切な故郷。今なお家族、友人の多くが暮らしており、言葉を詰まらせながら、人々の無事と街の回復を願っている。
「僕の家族は無事ですが、親しい友人や家族の中には家を失った人もいます。僕はロサンゼルス出身ですが、こんなことは今まで経験したことがありません。何もできないことが、本当に心苦しいです。再建は大変な道のりになるでしょう。ただ、ロサンゼルスはとても強い街です。みんなで団結すれば、きっと成果が得られるはずです。僕ができる最善のことは、試合に全力で臨むことで人々に喜びや勇気を届けることです。それに限らず、どんな形であれ、サポートに力を注ぎたいと思っています」
突如としてロサンゼルスを襲った自然災害。何よりも、1日でも早い鎮火と人々の無事を祈るばかりだ。
文=Meiji