かつて「盟友」と評された関係性を築いていた大谷(左)と水原(右)。(C)Getty Images 球界を騒然とさせたスキャンダルの完全決着には、まだまだ時間を要しそうだ。ドジャースに所属する大谷翔平の元通訳で、銀行詐欺罪などに問われた水原一…

かつて「盟友」と評された関係性を築いていた大谷(左)と水原(右)。(C)Getty Images

 球界を騒然とさせたスキャンダルの完全決着には、まだまだ時間を要しそうだ。ドジャースに所属する大谷翔平の元通訳で、銀行詐欺罪などに問われた水原一平被告の量刑言い渡しの期日が1月24日(現地時間)から2月6日(同)に延期された。

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 関係者たちにとっても寝耳に水の一大事は、球界のみならず、お茶の間をも震撼させた。水原氏は2021年11月ごろから昨年3月にかけ、違法スポーツ賭博による借金返済のために、自身が管理していた大谷の給与口座から約1659万ドル(約26億2000万円)を盗用。選手本人のあずかり知らないところで胴元側に不正に送金していた。

 また、大谷の給与口座から得た金を課税所得として報告しなかったとする虚偽の納税申告の罪にも問われている水原氏。当初は10月25日に量刑は言い渡される予定だったが、弁護人が「被告人がギャンブル依存症に関する鑑定を受けるための、精神医学の専門家を探していると説明している。連邦地裁に提出する書類作成に時間が必要」と申し立てて12月20日に延期。さらに「ミズハラが体調を崩し、専門家との面談を受けることができず、報告書の作成が間に合わない」と主張して1月24日に再延期されていた。

 そして三度の延期である。米メディア『The Atheltic』が伝えた連邦地裁に提出された弁護人の書面によると、すでに水原被告はギャンブル依存症の鑑定を終了。今回は「本人とは無関係の事情で精神科医の鑑定書の作成が遅れたため」とされている。

 ただ、本来は24年内に終了するはずだった判決の言い渡し。その遅れは現地メディアでも少なくない話題となっている。「予想外の遅れがあった」と弁護側の意見を伝えた『The Athletic』は、水原被告の弁護人を務めるマイケル・フリードマン氏のコメントを紹介している。

「私は、ミズハラと一緒に報告書を検討し、彼の判決提出書類に組み込むために十分な時間を必要としている。判決前に法医学心理学者の報告書を裁判所に提出できず、また、それを検討して裁判所への判決書に盛り込むこともできないことで、私たちは不利益を被ることになる」

 昨年末には、大谷のスキャンダルに対するコメントが日本では話題となった。12月29日に放送されたNHKスペシャル「メジャーリーガー大谷翔平 2024 試練と決断 そして頂点へ」のロングインタビュー内で「僕の中ではまだ別に終わっていないというか。まだ続いていることではあるので、今その時がどうだったかみたいなことではなくて、それがずっと続いているという感じなんですけど」と胸中を明かしていた。

 果たして、大谷が「終わってない」とする一大騒動は、いかなる形で結末を迎えるのか。2月6日に延長となった量刑言い渡しが注目される。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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