第41回フェアリーS(12日/GIII、中山芝1600m)には、昨年関東リーディングジョッキー1位の戸崎騎手が騎乗するエリカエクスプレス、初のマイル戦となるホウオウガイア、シンリョクカの半妹レイユールなどが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「モルティフレーバー」を取り上げる。
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■モルティフレーバー
【中間調整】昨年7月に新潟芝1800m戦でデビュー。競馬がわかっていないような雰囲気で出脚が悪く、スローペースのなか後方追走という展開不利はあったが、直線で猛然と追い上げ勝ち馬に3/4馬身差2着とした。勝ったディアナザールはその後に萩Sで2着、ベゴニア賞を快勝するだけに、相手が悪かった感もある。続く未勝利戦(中京芝2000m)は好発からスピードの違いでハナに立つと、上がり最速でまとめ順当勝ちを収めた。そこから中2週でオープン・芙蓉Sでもスローを見越して逃げの手に出たが、4角手前で失速し6着に終わっている。未勝利戦快勝の反動は少なからずあったようだし、初の関東輸送で馬体重マイナス14キロでの出走となったのも誤算だったか。
その後は放牧でリフレッシュを図ることに。順調に回復したようで、12月下旬にフェアリーSでの復帰が内定。帰厩後27日の初時計で坂路ラスト2F13秒2-12秒6(馬なり)と水準以上の動きを示せたあたり、牧場での調整もかなりのレベルで進んでいたよう。1月3日の1週前CW追いは序盤から速いラップを刻んで10馬身近く先行させた相手を追うハードトレ。追い比べから力強く抜け出し1馬身半差先着、時計は圧巻の5F64秒8(一杯)だった。
【最終追い切り】レース当週は吉村騎手(本番は北村宏騎手)が騎乗しCW併せ馬。負荷は中間で十分に掛かっており、輸送を控える今週は終い重点で操縦性に磨きをかけた。1秒ほど先行させた3歳未勝利へ早々と取り付くと、手応えで圧倒したまま抜け出し1馬身の先着を果たす。加速する際の気迫、躍動感は抜群。
【見解】大幅馬体減からの立て直し調整だが、1週前にかなりの負荷を掛けることができており、問題なく回復を果たしたようだ。こでまでの3走はすべて最終追い坂路だったが、今回はウッドで追い切れたあたりも体質強化、体調万全の証。関東輸送も2度目なら馬自身の慣れ、陣営的にもノウハウの蓄積があるはずで前走の轍は踏まないはずだ。稽古で追走先着の鍛錬は繰り返し行われており、控えてもいい競馬はできそう。上位食い込みの可能性は十分と言える。
総合評価「A」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。