NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25ディビジョン3 第3節2025年1月12日(日)12:00 栃木県グリーンスタジアム (栃木県)ヤクルトレビンズ戸田 vs 中国電力レッドレグリオン…
NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第3節
2025年1月12日(日)12:00 栃木県グリーンスタジアム (栃木県)
ヤクルトレビンズ戸田 vs 中国電力レッドレグリオンズ
ヤクルトレビンズ戸田(D3)
太田景親選手。「こうと決めたらやり抜かないとモヤモヤしてしまう性格」で、さまざまなものを積み上げてきた
地道な積み重ねで信頼を勝ち獲る選手がいる。開幕2連勝を飾ったヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)のウイング、太田景親だ。
2試合前の開幕戦、ルリーロ福岡戦はほぼ経験がなかったフルバックで出場することになったが、見事にアジャストして勝利に貢献してみせた。自分はフルバックもできるんだ――。新境地に挑んだ太田にとっても自信につながる出来事だった。
河野嵩史ヘッドコーチは「けが人が出る中、景親はウイングの中ではパスもキックもできる」と迷うことなく決断していた。太田自身が課題とするパスについて、昨季から毎日の全体練習の前後に仲間と欠かさず取り組みながらみるみる精度を上げていく姿を見届けた上での抜擢だった。積み重ねた信頼が大きかった。
男三人兄弟の末っ子。大の負けず嫌い。「こうと決めたらやり抜かないとモヤモヤしてしまう性格」は子どものころからだ。一人で公園に行って「このパントキックを何本キャッチするまで家に帰らない」と目標を定め、日が暮れるまでやり続けるのが日常茶飯事だった。
中京大学の4年生になる時期にけがで長期離脱したときには「けが人はより強くなって戻らないといけない」という自負のもと、毎日5食をとることに挑戦し、10kgの増量に成功してカムバックした。もう増えないと思っていた体重もやり続ければ増えるんだ――。この成功体験もいまにつながっている。
開幕2連勝をつかんだL戸田では現在スターティングメンバーを任されるが、あるのは危機感だけだ。
「ウイングの中で一番の実力で試合に出られているという感覚はありません。ウイングとして1対1は絶対に抜き去るとか、トライを奪い切るための粘りや強引さは身につけていかないと」
太田は心に決めている。今後何があろうと地道に積み重ねていく。毎日、必ず何かに挑戦し、日々前進する。やらずに後悔する、という選択肢はあり得ない、と。
初のホストゲームとなる第3節、相手の中国電力レッドレグリオンズには故郷・長崎のレジェンドである岩永健太郎や山口莉輝が在籍する。太田はこれまで選抜云々とは関わりがないキャリアを歩んできたが関係ない。積み上げてきたものに自信がある。それでリーグワンの舞台にたどり着いた自負がある。
彼らに、あのころからの成長を示す。そして、必ず開幕3連勝に貢献してみせる。
(鈴木康浩)