テーラーメイド製のドライバーがPGAツアー13勝を挙げた2024年を経て(うち11勝はQi10シリーズ)、同社は新たにQi35シリーズを発表した。昨年12月のツアー外競技「グラント・ソーントン招待」にて、女子世界ランキング1位ネリー・コル…

トッププロが続々と実戦投入(提供:テーラーメイド)

テーラーメイド製のドライバーがPGAツアー13勝を挙げた2024年を経て(うち11勝はQi10シリーズ)、同社は新たにQi35シリーズを発表した。

昨年12月のツアー外競技「グラント・ソーントン招待」にて、女子世界ランキング1位ネリー・コルダのバッグで初めて目撃された新ドライバーは、前週の開幕戦「ザ・セントリー」でPGAツアーのスター選手が続々と実戦投入した。そのうちの一人であるコリン・モリカワは、新記録で11勝目を挙げた松山英樹と3打差2位でフィニッシュ。新クラブでの初勝利はお預けとなった。

以下は、最新クラブに関する詳細である。

4種類のドライバーヘッド

フェースもブラックでクール(提供:テーラーメイド)

Qi35はあらゆるゴルファーに対応するべく、4種類のヘッドが展開されている。

スタンダードモデルは、MAXモデルと同じ高慣性モーメント形状になっており、前後のサイズが大きくなっている。バランスポイントと重心位置をカスタマイズするため、2個のウエート(前方に3g、後方に13g)が配置されている。これらウエートを標準の位置にセットすると、慣性モーメントは9Kとなる(数値が大きいほど回転が少なくぶれにくい)が、前後のウエートを入れ替えると8.1Kに低下するも、芯でヒットしたショットの飛距離はアップする。

MAXには、全体の重量を増やすことなく後方に34gの固定タングステンウエートが配置。これにより、10Kを保ちながらもプロジェクションの重心位置を下げることが可能となり、打ち出しのコンディションが向上している。

低スピンモデルのLSには後方に13gのウエートがひとつ、そして前方に3gのウエートが2つ装着されている。Qi10に搭載されていたスライド式ウエートからTAS重量セットアップへ移行したことで重量が低減し、その結果、向上した質量効率がより大きな重心位置、打ち出しのコンディション、そしてスピン量の調整を可能とした。

新たに加わったMAX LITEは超軽量モデル。MAXより35gも軽く、ヘッドスピードを上げたいゴルファー向けだ。また、フェアウェイウッド、ハイブリッド、そしてレディース仕様でも展開されている。

バランスポイントを最適化

テーラーメイド新作ドライバーQi35が明らかに(提供:テーラーメイド)

新作は、プロジェクション(フェースへ投影されるヘッドのバランスポイント)の重心位置が下げられつつ、慣性モーメントを最大化しているため、結果としてより広範囲のフェース面で飛距離アップが実現した。

通常、ボールをバランスポイントより下の部分でヒットすると、スピン量が増えて低い打ち出しとなるため飛距離が出ない。一方でバランスポイントより上の部分でヒットすると、高打ち出しで低スピンとなるため、より遠くへ飛ぶようになる。

バランスポイントがより低くなってヘッドのウエート位置を改良した新モデルは、フェースのより広範囲で打ち出しとスピン量が最適化されている。この特性は、スタンダードとLSヘッドに装着された交換式ウエートであるテーラーメイド・トラジェクトリー・アジャストメント・システム(TAS)が、球筋(ドロー/フェード)やコントロールに対し、最も質量効率の高い重心調整を可能とすることで、より高められている。

各モデルには、ヘッド部分に第4世代のカーボンツイストフェース、スルースロットスピードポケット、そして4度のロフトスリーブが装着されており、新たにクロムカーボンファイバーとインフィニティカーボンクラウンが採用されている。これにより、エンジニアたちは余剰重量を後方へ配分することで、慣性モーメントを増加させることに成功した。

フィッティング効率もアップ

今作はフィッティング過程の精度と効率を高めるため、弾道計測器により実現したフィッティングヘッドを導入した。Qi35ドライバーのフェースでは、セレクトフィットと呼ばれる反射型のフィッティング用マーカーが視認でき、これを利用したフィッティングはテーラーメイド主催のイベントや小売店のフィッティング施設で受けることができる。

このビルトイン型のフィッティング用マーカーにより、インパクト時のクラブヘッドの位置をより正確に把握できるため、フィッティングプロセスの最適化が可能となる。

カスタム製品製造を統括するマット・シモーネ氏は、「我々は最高のレベルで製品を生み出していますが、テクノロジーを正しい形で最適化することで、パフォーマンスをさらに解放できることも承知しています。Qi35ドライバーヘッドのセレクトフィットにより、フィッターは最適のヘッドモデル、適正なロフト、重量構成、そしてシャフトの組み合わせを特定することができます。Qi35の技術的な利点とレベルの高いフィッティング能力を合わせることにより、我々は全てのゴルファーに寛容性と、それぞれに見合った飛距離を提供することができるのです」と述べている。

フェアウェイウッドとハイブリッド

ドライバーと同時にフェアウェイウッドとハイブリッドも発表した。フェアウェイウッドはスタンダードMAXMAX LITE、そしてツアーモデルの4種類。ツアーモデルは操作性を重視したコンパクトなヘッド形状で、40gのスライド式ウエートが装着。好みに応じて飛距離か精度のいずれかを重視したセッティングを施すことができる。

ハイブリッドはスタンダードMAX、そしてMAX LITEの3種類。最適化された重心位置が高打ち出しを実現している。

(協力/GolfWRX,PGATOUR.com)