ダカールラリー2025は1月8日、アルヘナキヤ〜アルウ間に設定されたステージ4(415km)の走行が行われた。ここから2本はメカニックの整備やパーツの供給が行えないマラソンステージのためできる限りトラブルを避けることが命題となったステージだ…
ダカールラリー2025は1月8日、アルヘナキヤ〜アルウ間に設定されたステージ4(415km)の走行が行われた。ここから2本はメカニックの整備やパーツの供給が行えないマラソンステージのためできる限りトラブルを避けることが命題となったステージだが、火山岩の岩場がタイヤにとって特に過酷なサバイバルコースとなった。
ダカール5勝を誇り今回はプロドライブが走らせるダチア・サンドライダーを駆るナッサー・アル‐アティヤは、スタートから118km地点でストップ。チームメイトのクリスティーナ・グティエレスが、今度はアル‐アティヤのために救助に駆けつけ、ステアリングアームの交換パーツを渡した。アル‐アティヤは修復のために45分をロスしたが、走り始めた後は、ステージウイナーのヤジード・アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス)に12分遅れまで追い上げた。この日を終えても総合首位を維持したTGRのヘンク・ラテガン(トヨタGRダカール・ハイラックスEVO)との差は36分となっている。
「今日は2回止まった。1回はパンク、2回目はリヤアームの破損だった。クリスティーナの助けを待って修復した。自分たちにとっては楽なステージではなかったが、走り切った。明日もマシンは走れるし、パーツも十分持っている」とアル‐アティヤ
尖った岩が多いこのステージではパンクは避けられず、細心の注意を払っても多くのトップドライバーたちがこのステージで相次いでパンクに見舞われた。TGRのセス・キンテロは「今日は序盤で2回パンクした。どんなに遅く走っても関係ない。運がいいか悪いかだけで、自分たちはアンラッキー側だった。合計で3回パンクして、1時間近くのロスになったと思う」と一日を振り返っている。
アルティメイトクラス初挑戦でポディウムフィニッシュ圏内につけていたトビー・プライスは、このステージでストップし、サービストラックの到着まで2時間以上待たなくてはならなかった。
一方、比較的少ないトラブルで一日を走り切ったのは、Mスポーツ・フォードのマティアス・エクストロームとミッチ・ガスリーJr.(フォード・ラプター)、TGRのルーカス・モラエス(GRダカール・ハイラックスEVO)。エクストロームとモラエスは、総合3番手、5番手をキープ、ガスリーJr.は6番手まで順位を上げた。
「自分たちにとってはいいステージになった。フィニッシュまで100kmのところでパンクが1回あった以外は、ノートラブル。今日はとにかく、一日を通していいペースを維持することに努めた。ほかのクルマたちがコースオフしていたのを見かけたので、フィニッシュラインまでたどり着くことだけが必要だと分かっていた」とガスリーJr.。
ダカール2025暫定リザルト(ステージ4終了時点)
1 H.ラテガン(トヨタGRダカール・ハイラックスEVO) 23:36:24
2 Y.アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス) +6:54
3 M.エクストローム(フォード・ラプター) +21:40
4 M.セラドーリ(センチュリーCR6) +30:25
5 L.モラエス(トヨタGRダカール・ハイラックスEVO) +33:25
6 M.ガスリーJr.(フォード・ラプター) +34:09
7 N.アル‐アティヤ(ダチア・サンドライダー) +35:53
8 J-C.ヤコピーニ(トヨタ・ハイラックス) +41:10
日本勢では、ランドクルーザー300GRスポーツをベースとしたラリーカーで市販車部門(FIAストッククラス)を戦うチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、ロナルド・バソ/ジャン・ピエール・ギャルサン組の501号車と三浦昂/ジャン・ミッシェル・ポラト組の500号車が、それぞれ1本、2本のパンクに見舞われながらも、部門トップタイム、2番手タイムをマーク。累積順位での部門1‐2を維持してマラソンステージの前半を走り切った。
「思ったより岩の区間が長く、2本パンクさせたのは残念でしたが、それ以外は車両にダメージもなく順調に終えることができました。ロナルドの車両とのタイム差はタイヤ交換作業によるロスもありますが、タイヤの空気圧を高めに設定したのが路面と合っていなかったのかもしれません。明日も気を付けて走ります」と三浦は一日を語っている。
HINO600シリーズでトラック部門に参戦する日野チームスガワラの菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組もパンクに見舞われたほかミスコースによるタイムロスもあったが、部門11番手タイムで一日を走り切り、累積では部門8番手につけている。
菅原は「パンクとミスコースでタイムロスがありましたが、それ以外は順調です。3人も元気でマラソンの後半も頑張って走ります」と語っている。