大会3連覇、今季の高校三冠にあと2勝と迫った駿台学園(東京①)【写真:月刊バレーボール】(adsbygoogle=window.adsbygoogle||[]).push({}); バレーボールの「春高」こと「第77回全日本高等学校選手権…
大会3連覇、今季の高校三冠にあと2勝と迫った駿台学園(東京①)【写真:月刊バレーボール】
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バレーボールの「春高」こと「第77回全日本高等学校選手権大会」は1月7日に準々決勝までが終了し、いよいよ11日(土)に準決勝そして翌12日(日)に決勝が実施される。男子の駿台学園高(東京)は大会3連覇そして今季の高校三冠の偉業へあと2勝と迫った。
今季は他チームを圧倒。今回の春高では見えない敵とも直面
春高では2016年度の第69回大会で初優勝を飾ると、第75回大会から連覇を続けている駿台学園高。個の能力が高水準でかみ合う組織力に加えて、戦術理解度の高さとその遂行能力にたけるのが武器だ。さらに今季は身長197センチのエース川野琢磨を筆頭に比較的サイズに恵まれ、ブロックを強みとしてこれまでインターハイと国スポを制してきた。
今回の春高でもその強さは際立ち、2回戦(1回戦はシードのため免除)から準々決勝まで3試合を戦い、すべてストレート勝ち。しかも計6セットのうち、4セットは相手を20点台にも到達させていない。まさしく圧倒的、だ。
今大会でも優勝候補の筆頭としてオレンジコートに立っているわけだが、その強さゆえに選手たちは“見えない敵”と戦っている。リベロの谷本悦司キャプテンは言う。
「春高前の練習試合でも気の緩みや『どうにかなる』という雰囲気がチーム内に出て、うまくいかないことが多くありました。それが課題だったのですが、今大会に入ってからも少し出てしまっている部分があるので。準決勝までの日数が空く分、自分たちの雰囲気づくりから取り組んでいきたいと考えています」
慢心とは違う。圧倒的強さはときに心理的優位を生み、それが心身のコントロールを揺るがせる。近江高(滋賀)との準々決勝はまさにそうだった。第1セットを25-11で先取し、「点差を離して取れたことで自分たちに気の緩みが出てしまったのが、2セット目は競り合った要因だと思います」と谷本。相手エースの奮闘に見舞われながらも、第2セットを最終的に26-24で制し、センターコート進出を決めた。
谷本悦司(駿台学園)【写真:月刊バレーボール】
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「きちんとやることをやれば、可能だと思います」と谷本
周囲からすれば大会3連覇そして高校三冠の偉業達成の可能性は高く映るが、そうではないことは戦う本人たちが実感している。
「いろんなかたちで自分たちのことを取り上げてもらっているので、その部分でどのチームも駿台学園を倒しにいく、という気持ちだと思うんです。そうしたプレッシャーもあるなかで自分たちがどれだけできるかだと。ただ、プレッシャーがあるとはいえ、それほどプレーに影響はありません」
そう話す川野の言葉どおり、プレーレベルの高さは、言わずともこれまでの結果で示してきた。あとは「きちんとやることをやれば、(優勝は)可能だと思います」と谷本も話す。
と同時に、準々決勝を終えて選手たちの口から聞かれたのは、精神的な要素も含めて自分たちがまだまだ100%ではないということだった。
1年目から春高のセンターコートを経験してきた谷本は「体育館が大きいので、会場の雰囲気がいつもと違う分、今回も緊張しました(笑) 自分はディグの面で思うように動けていないことが多かったので、準決勝から切り替えて、持ち味であるディグを発揮したい」と理想とのギャップを口にする。また谷本と同じく、2年前の春高決勝では当時1年生ながら途中出場で逆転勝利の立役者となったミドルブロッカーの高澤大馳も、自身の強みであるアタックについて「攻撃が合っていない部分があるので、もっともっと精度を高められたらいいなと思います」と話すことから、フルパワーでないことがうかがえる。
さらに、その2人とは異なり過去2大会では登録メンバー入りを果たしながら、ベンチ入りはかなわなかったエースの櫻井信人は「自分のコンディションはまだまだ上がっていないので。しっかりと上げて、レシーバーを吹き飛ばすようなスパイクを見せていきたいです!!」と言葉に力を込めた。
市立尼崎(兵庫)【写真:月刊バレーボール】
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未知なる相手、市立尼崎高(兵庫)との準決勝は11日の第3試合(14:15開始予定)
集大成となる最後の2日間で、自分たちの最高潮をぶつける。そこではまず市立尼崎高(兵庫)との準決勝に臨むわけだが。これまでに対戦経験や練習試合をしたことがなく、なおかつここからは5セットマッチとなるため、試合の進め方そのものも変わってくる。谷本は「探り探りになるとは思いますが、1セット目でしっかりと対応できるように。常に考えることを怠らないようにしなければ」と気を引き締めた。
自分たちの内なる敵そして未知の相手との戦いは、偉業達成への障壁にほかならない。それでも選手たちはわかっている。
「日々の練習や努力があるのだから。思いきりやってこい」
準々決勝の最後、マッチポイントでのタイムアウト明けにサービスエースを決めた櫻井が、梅川大介監督から受けた言葉である。自分たちの過程を信じた先にきっと、つかみたいものが待っている。
(文/坂口功将)
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