◇米国男子◇ザ・セントリー 最終日(5日)◇プランテーションコースatカパルア(ハワイ州)◇7596yd(パー73)松山英樹が2025年初戦で、PGAツアー(米国男子ツアー)通算11勝目を飾った。昨年8月のプレーオフシリーズ第1戦「フェデ…

松山英樹のPGAツアー11勝を振り返る

◇米国男子◇ザ・セントリー 最終日(5日)◇プランテーションコースatカパルア(ハワイ州)◇7596yd(パー73)

松山英樹が2025年初戦で、PGAツアー(米国男子ツアー)通算11勝目を飾った。昨年8月のプレーオフシリーズ第1戦「フェデックスセントジュード選手権」以来の勝利。本格参戦1年目の2014年「ザ・メモリアルトーナメント」から11年で到達した11勝をウィニングパット&ショットで振り返った。

<初優勝>2014年6月「メモリアルトーナメント」

プレーオフ1ホール目。3.5mのパーパットを沈めてPGAツアー初優勝を手にした

前年の日本ツアー賞金王は東北福祉大を卒業する春にPGAツアーに本格参戦。メジャー通算18勝、ジャック・ニクラスのホスト大会で初優勝を飾った。首位に2打差の3位からスタートして「69」で回り、ケビン・ナとのプレーオフに突入。1ホール目で第2打をグリーン周りのギャラリーエリアに打ち込みながら、3.5mのパーパットを沈めて両手を掲げてガッツポーズ。日本勢4人目(当時)の勝利を最年少の22歳でつかんだ。

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<2勝目>2016年2月「WMフェニックスオープン」

最終18番でパットを決め、ファウラーとのプレーオフへ

3打差2位から出た最終日、正規の最終18番で5mのバーディパットを流し込んで「67」をマーク。通算14アンダーの首位で並んだリッキー・ファウラーとのプレーオフを戦った。スタンドから“USAコール”が響いたコースで決着がついたのは4ホール目。1オン可能なパー4で相手がティショットを池に入れたことで死闘が終わり「自分から引き寄せた優勝じゃないような感じもする。勝つことはすごく大変だとすごく感じた」と喜んだ。

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<3勝目>2016年10月「WGC HSBCチャンピオンズ」

7打差圧勝で初のWGCタイトルを獲得。ウィニングパットを沈めてほほ笑んだ

当時中国で開催された世界選手権シリーズ(WGC)。後続に3打差をつけて迎えた最終日も攻める気持ちを失わず6バーディ、ノーボギー。7打差の圧勝だった。最終18番(パー5)はフェアウェイからの第2打を右サイドに広がる池に入れながら、奥からのパットを沈めてパーセーブ。笑顔を浮かべて右手を握りしめた。少数精鋭のフィールドで行われた大会は当時、準メジャー級の扱い。待望のメジャー優勝に現実味を持たせた。

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<4勝目>2017年2月「WMフェニックスオープン」

力強いガッツポーズが印象的だった

再びプレーオフを制して自身初の大会連覇を達成した。4打差3位から「66」で回り、17アンダーで並んだウェブ・シンプソンとのぶつかり合い。勝負がついたのはやはり4ホール目の17番で、4mのバーディパットをカップに沈めてこぶしを振り下ろした。「プレーオフで苦しかったが、勝つことができてうれしい。チャンスが来ると思って待っていた」。丸山茂樹の記録を更新する、日本勢最多のツアー4勝目を24歳でマークした。

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<5勝目>2017年8月「WGC ブリヂストン招待」

バーディ締めで圧巻の「61」

世界選手権シリーズ(WGC)での2勝目は驚異的な勝利。2打差の4位から出た最終日に1イーグル、7バーディ、2013年大会で一緒にプレーした際のタイガー・ウッズと同じ「61」をマークした。16番(パー5)で「最後に3つバーディを獲れば並ぶ」と思い描いたスコアを現実にして、通算16アンダー。2位に5打差をつけた。スタート前から調子が悪く、インタビューには「完ぺきは18番のティショットだけ」と答えた。

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<6勝目>2021年4月「マスターズ」

歴史的なウィニングパットは、2m弱のパーパットを外してのタップイン

スランプを乗り越え、メジャー初優勝を憧れのオーガスタナショナルGCで飾った。ローアマチュアを獲得した2011年からちょうど10年、10回目の出場。2位に4打差をつけて迎えた最終日は4バーディ、5ボギーの「73」と苦しみながら逃げ切った。最終ホールはバンカーからの3打目をグリーンに乗せ、パーパットを外してからタップイン。喜びの涙を懸命にこらえながらスコア提出所に向かった。

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<7勝目>2021年10月「ZOZOチャンピオンシップ」

イーグルフィニッシュに観衆の興奮は最高潮に達した

日本で唯一のPGAツアーでは初開催の2019年にタイガー・ウッズに次ぐ2位。マスターズチャンピオンとして臨んだ第3回大会で優勝した。大きな拍手を背にスコアを伸ばし、最終18番は残り244ydから5Wでのカットボールでピン奥へ2オン。4mのパットを沈めてイーグルを奪い、母国のファンの前で両手を高く突き上げた。コロナ禍での開催に感謝し「日本人の僕が勝つことはすごく意味があることだと思う」と胸を張った。

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<8勝目>2022年1月「ソニーオープンinハワイ」

決着をつける絶好のイーグルチャンスを演出

最終日最終組に入ったラッセル・ヘンリーとのマッチレース。ハーフターン時につけられた5打差をバックナインで縮め、最終18番のバーディで「63」として追いついた。プレーオフで見せた3Wでの2打目が圧巻。夕日に向かって放ったフェードボールは手前に2オン、ピンそば1mまで転がりイーグルで決着した。1983年に青木功が日本人として初優勝を飾った場所で、アジア出身選手として最多の通算8勝に並んだ。

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<9勝目>2024年2月「ザ・ジェネシス招待」

シグニチャーイベントを初めて制した

度重なる故障を経て約2年ぶりにツアー優勝を飾った。タイガー・ウッズのホスト大会の会場は2028年の「ロサンゼルス五輪」の開催コースにも決まっているリビエラCC。首位に6打差の7位から3連続バーディを3回決めて「62」をマークした。最終18番、1mのパーパットも鋭いフックラインを打ち抜いて腰の高さでガッツポーズ。チェ・キョンジュ(韓国)を勝ち越し、アジア人最多の9勝目をマークした。

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<10勝目>2024年8月「フェデックスセントジュード選手権」

終盤17番のバーディで再逆転。力強く右こぶしを握った

「パリ五輪」で銅メダルを獲得した2週後、主戦場でツアーでの戦いを再開。プレーオフシリーズの初戦で、初日からバーティチャンスを生かし続け3日目を終えて後続に5打差をつけた。最終日は後半12番からの4ホールで4ストローク落とす急変により追う立場に変わったが、終盤の難所・17番で決めた起死回生のバーディが重い雰囲気を吹き飛ばす。ピン左手前8mのパットを流し込んで再逆転し、力強いガッツポーズ。最終18番もバーディで締めくくり、後続を2打差で振り切った。

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<11勝目>2025年1月「ザ・セントリー」

ツアー新記録となる通算35アンダーに伸ばすバーディフィニッシュ!

通算10勝をあげて迎えた新シーズンは、初戦から強さを見せつけた。1打差2位発進を決めると、2日目は初日に続いて「65」で回って単独首位。5年連続8度目の本大会でトップに立つのは、初出場の15年第3ラウンド(首位タイ)以来10年ぶりだった。3日目は11アンダー「62」をマークして単独首位をキープ。最終日は1イーグル7バーディ、1ボギーの「65」で通算35アンダーまでスコアを伸ばし、22年大会でキャメロン・スミス(オーストラリア)がマークした34アンダーを1打更新し、72ホール最多アンダーパーのツアー新記録を樹立する快勝となった。

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