「食べたら眠くなるのは仕方ない」と思い込んでいませんか? 実はそれ、食べ方を変えると改善するかもしれません。この記事では、食後の眠気の原因と眠くならない食事の秘訣をご紹介します。1.食後の強い眠気は“血糖値の急降下”が原因食後の強い眠気の原…

「食べたら眠くなるのは仕方ない」と思い込んでいませんか? 実はそれ、食べ方を変えると改善するかもしれません。

この記事では、食後の眠気の原因と眠くならない食事の秘訣をご紹介します。


1.食後の強い眠気は“血糖値の急降下”が原因

食後の強い眠気の原因は、血糖値が急降下するからです。
まず、食事を摂ると血糖値が急上昇します。この血糖値を下げるために、次はインスリンが大量に分泌されて血糖値が急降下して、あの抗えない眠気を引き起こすのです。

2.食後の眠気を抑える食べ方のコツ

ここからは普段の生活に取り入れやすい、食後の眠気を抑える食べ方のコツを3つご紹介します。

2-1.野菜→おかず→主食の順に食べる
食べる順番を変えると食後の眠気が低下することが最近の研究でわかってきました。

実際に、まず野菜を5分かけて食べ、次にタンパク質を含んだおかずを5分、最後に米やパンなどの主食を5分かけて食べるだけで、血糖値の変動幅が30%以上も抑えられたという研究結果もあります。(※1)

すぐにでも取り入れられる方法なので、早速試してみましょう!

2-2.15分以上かけてゆっくり食べる
「忙しくて、ついつい早食いしてしまう……」そんな人は血糖値の乱降下を自ら招いているかもしれません。
食べ物を摂取して血糖値が上がると、満腹中枢から「そろそろ食べるのをやめよう」とからだに指令がでます。この指令が出るのには約15分かかるため、急いで食べると満腹を感じる前に食べ過ぎてしまい、血糖値が過剰に上がる原因となるのです。(※2)

15分以上かけてゆっくり食べれば、満腹中枢がしっかり機能し、食べ過ぎ防止に繋がります。

2-3.低GI値の食材を選ぶ
GI値とは食べ物が血糖値をどれだけ上げるかを示す数値のこと。GI値が低い食べ物を選んで摂取したほうが、血糖値の上昇がゆるやかになります。

白米より玄米、うどんより日本そば、食パンよりライ麦パンを選ぶだけで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。普段の食品を低GIのものに変えて血糖値の上昇をコントロールしましょう。(※3)

3.食後の眠気は漢方薬でも対策できる

食後の眠気には、症状の根本改善を得意とする漢方薬を服用するのもおすすめです。

食後の眠気の原因として、血糖値の急激な変化だけでなく、胃腸の働きの低下も関係していると考えられています。
前述した食べ方や食材の効果をさらに高める方法として、胃腸の働きをサポートする漢方薬を併用するのが効果的です。

消化や吸収の機能を回復し、脳やからだに酸素や栄養をしっかり届ける漢方薬を選ぶことで、食後の眠気を根本から改善するアプローチが可能になります。

<食後の眠気対策におすすめの漢方薬>

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):エネルギーを補うことで、胃腸機能を高めて、だるさや虚弱体質に働きかけます。

・人参養栄湯(にんじんようえいとう):体力低下、疲労倦怠、手足の冷え、貧血などに用いられます。エネルギーと栄養を補うことで全身に栄養をめぐらせ、体力を回復させます。

漢方薬は、一般的に副作用が少ないとされていますが、使用する前には医師や薬剤師などの専門家に相談しましょう。
最近では、オンラインで漢方薬のプロに個別相談ができる「あんしん漢方」というサービスもあります。漢方薬に詳しい薬剤師がAIを使ってあなたにぴったりの漢方薬を選んでくれるので、まずは相談してみるといいでしょう。

4.正しい食べ方で食後の眠気を撃退しよう

食後の眠気の原因は血糖値の急降下。野菜→おかず→主食の順で15分以上かけてゆっくり食事したり、低GI食品を選んだりすることで、食後の眠気が軽減します。また、漢方薬の力を借りるのもひとつの方法です。今日のランチから、少しだけ食べ方を変えてみませんか? きっと午後のパフォーマンスが変わりますよ!

【参考文献】
(※1)「食べ方と食べる時間が血糖変動に影響を与える」日本農芸化学会
(※2)糖尿病ネットワーク「糖尿病対策に「ゆっくり食べる」ことは効果的 よく噛んで食べるための8つの対策」株式会社創新社
(※3)「食べ方で血糖値の上がり方が変わる!?」全国健康保険協会 和歌山支部 保健グループ

[文:あんしん漢方]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。