PGAツアー開幕を前にマックス・ホマが新たな用具契約メーカーにコブラを選んだ。どういう経緯で契約に至ったのか? 今回はGolfWRX.comによるホマ本人とコブラのクラブフィッター直撃インタビューの後編。◇◇◇GolfWRX.com:あな…

ホマの新しいT-グラインド コブラ キング60度ロブウェッジ (提供GolfWRX)

PGAツアー開幕を前にマックス・ホマが新たな用具契約メーカーにコブラを選んだ。どういう経緯で契約に至ったのか? 今回はGolfWRX.comによるホマ本人とコブラのクラブフィッター直撃インタビューの後編。

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GolfWRX.com:あなた(ホマ)のバッグの中で最も魅力的な見た目のクラブは、60度のウェッジではないかと思っています。このクラブにした経緯、従来との違いについて、とても興味があるのですが。

コブラのクラブフィッター、ベン・ショーミン氏 「今年発売予定のTグラインドは、私が長年取り組んできたグラインドなのです。PGAツアーではいくつか似たグラインドが存在しますが、これは主にリッキー(・ファウラー)と数年にわたる試行錯誤を重ねた末に進化した物ですね。ツアーでは契約していない選手も何人か使用しています。そこで『このモデルは良く機能しているようだし、販売すべきじゃないか。大勢の人に使ってもらうべきだ』となりました。だから、マックスがこれを気に入った時はうれしかったです。人気があるし、とても多用途性が高い。彼はバンカーでもこれを上手く使いこなしているようなので、これまでのところは順調です」

ホマ 「これはバンカーから出すのに最高なんだ。聞いたばかりの知識を言うのもなんだけど、僕にとってウェッジで一番重要なのは、グラインド。これまでは芝から80ydのショットを打つ際などには、打感以外で大きな違いに気付いたことはなかったけど、チッピングやグリーン周り、そしてバンカーでその違いが大きく物を言うんだ。異なるウェッジを4、5本用意してもらって、以前使っていたものに一番近いグラインドを渡され、チッピングしてみると、すぐ良い感じで打てた。ただ、バンカーでの良さには驚いたよ。このウェッジが上手く機能しないバンカーには出くわしていない。僕はグラインドをしょっちゅう変えたりしない。いつも使っているやつを使い続けたい。だから、これまでのところ、対応できないようなタイプの砂に出くわしていないのは、良いことだね。

馬鹿げて聞こえるかもしれないけれど、見た目もとてもきれいなんだ。良い感じで丸みを帯びている。スクエアでフルショットを打つ時も、オープンにしてフロップショットやバンカーショットを打つ時も、どちらも座りが良い。僕は見た目重視派だろ?そういうことにひかれるんだよ」

ザ・セントリー初日に14番パー4でワンオンを狙うホマ(提供PGAツアー)

GolfWRX.com:クラブを替える中で、ドライバーが一番手こずったようですが。最終的にドローバイアス、フェードバイアスなど、どのような形に落ち着いたのでしょうか?

ホマ 「最初に打った時は難しくなかった。間違いなくヘッドは気に入っていたんだ。ただ、ドライバーは最も強く、速く振るクラブだから、スピン量にはうるさくなってしまう。僕はスイング改造にも取り組んでいて、かなりのアッパーからレベルで打つようにしていた分、スピン量が上がってしまったんだ。曲げ過ぎることがあったり、曲げきれないこともあったね。両方のプロセスが進むなか、僕はスライスさせたい方向に気持ちに傾いていたので、できる限りカットしても大丈夫と感じられるドライバーが欲しかった。彼(ショーミン氏)はその傾向が一段階強いバックアップも組み上げてくれて、それだともっとカットさせようと思っても、そこまでカットしない。その辺が問題と言えば問題で、ヘッド形状はすぐ気に入ったのに、好みの弾道に見合ったスピン量が得られないでいた。滑車みたいな感じで、ゴルフスイングが変わったので、それに合わせてドライバーも変えねばならず、そこらがトリッキーだったね」

フューチャーフィット33テクノロジーを使ってロフト角9.4度に設定されたコブラ DS-ADAPT LSドライバー (提供GolfWRX)

ショーミン氏 「それはそうですが、苦しんではいないんじゃないですか?マックスは(ドライバーに)一目惚れしたわけですし、打音も大いに気に入っていました。打感も気に入り、飛びも気に入っていましたので、それらはいずれも前向きなことでした。

マックスは、スイング改造中だったので、会う度に微調整を行いました。幸い、我々にはフューチャーフィット33があるので、大助かりでした。今では0.5度アップライトに、あるいは0.5度フラットにする、またはロフトを減らすくらいの調整しか行っておりません」

ホマ 「ロフトはかなりいじったね。最初、僕は低く打ち出しても大丈夫なようにロフトを多めにしたかったんだけど、当初の狙いよりも少し低くなった。低い方がより安定して、高く打ち出してもスピン量が激増することにならなかった。実際、スピン量を大幅に下げず、これまでより高く打ち出している。問題が解決することは分かっていたけど、いつもこのプロセスに一番時間を取られる。最も速くスイングするわけだから、少しのミスが大きなトラブルにつながる。これについてはかなり神経質になっていたけど、ベンがいて、あれこれやってくれたので良かった。33のオプションはかなりの量だから、彼がそれらを遣り繰りしてくれたのは良かったね」

ロフト角を調整したホマのドライバー (提供GolfWRX)

ショーミン氏 「シャフトを60gから70gの物に変更したね」

ホマ 「しかも左利き用のやつに(笑い)」

ショーミン氏「そうそう。フィッティング用の道具箱に左利き用の先端が入っていたんだ。うっかりそれを取り付けてしまって、フィッティングを始めたものだから…」

ホマ 「なんでちゃんと打てないのか、僕には見当もつかなかったよ(笑)」

ショーミン:氏 「彼はスピン量を増やすべく、少し多めにロフトを欲したのですが、弾道はどんどん低くなるばかりで、全く理に適っていなかった。私も我を忘れてしまいました。最終的にセッティングをやり直すため、先端を取り外して見ると「なんてこった…」となったんです。ですので、そんなちょっとした(?)つまずきはありましたが、重量を増やすシャフト変更は球のばらつきを抑えるのに一役買ったので、おおむね良い方向に作用しました。より左のミスを気にすることなくドライバーを振れるようになったと思います。要は正しいセッティングと正しい組み合わせを見つけ出すだけの問題だったのです」

謎の黒いシャフトはKBS $-テーパー 130 steel(提供GolfWRX)

GolfWRX.com:では最後の質問です。アイアンのシャフトはどこのメーカーですか?真っ黒で判別できないのですが。

ホマ 「ああ、そうだ。これは忘れてしまったね。前は他の人が分かるように、シールをつけておいたんだけど。謎のシャフトということにしておこうか」

ショーミン氏 「これはKBSの秘密のシャフトさ。マックスも何年か使っているやつだと思うけどね」

ホマ 「そうだよ。これまで僕が長年使ってきたものと同じやつ。これはKBS $-テーパー130で、ウェッジは少しだけ違うH-Revs。もう6年ほど使っている」

ショーミン氏 「間違いなく彼にとってよく機能し、彼を助けてきたシャフトです」

ホマ 「このアイアンは、バッグに入れてさあ行こう、という感じだね。一瞬たりとも疑問を抱いたことはないよ。これへの移行は簡単ですばらしかった」

ショーミン氏 「そうだね。実際あれはとてもクールだった。君は正真正銘興奮し『すぐバッグに入れるよ』って感じだったから」

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)