昨年8月に行われた「第54回 全国中学校 バスケットボール大会」で準優勝の成績を収めた大阪府の樟蔭中学校。チームは同大会を機…

 昨年8月に行われた「第54回 全国中学校 バスケットボール大会」で準優勝の成績を収めた大阪府の樟蔭中学校。チームは同大会を機に背番号4と5を背負っていた主力の2人が抜けることになり、再スタートを切った。

 新たに背番号4とキャプテンを託されたのは、仲柚珠喜(3年)。「最初はなかなか合わせのプレーができなかったので、全員でしっかりコミュニケーションを取るようにしました。チームのみんなも私についてきてくれたので嬉しかったです」と、『京王 Jr.ウインターカップ2024−25 2024年度第5回全国U15バスケットボール選手権大会』出場へ照準を合わせてきた。

 迎えた今大会は、JBA推薦枠での出場権を獲得。1、2回戦はともに接戦となり、今治オレンジブロッサムジュニア(愛媛県)を57−51、横浜ビー・コルセアーズ U15女子を45−39で破って3回戦へ勝ち上がった。

 しかし、1月6日の大会3日目はF unite(山梨県)に最終スコア43-55。150、160センチ台の選手が並ぶ樟蔭に対し、F uniteは175センチの舟久保汐、174センチの古屋和奏(ともに3年)を軸に高さのある相手。試合は伊藤心菜(3年)が13リバウンドと奮闘するも、舟久保には23リバウンドを拾われ、チーム全体でも樟蔭が36本、F uniteが61本とリバウンドで圧倒された。

 ベスト8には1勝届かず、3回戦敗退。敗れはしたものの、樟蔭は最後まで自分たちのスタイルを貫いた。仲はどこかスッキリとした表情だった。

「全員で一生懸命ボールを追って、笑顔でプレーするのが樟蔭のバスケです。先生(岡田済子ヘッドコーチ)からも『最後まで笑顔で』と言われていましたし、それをちゃんと貫くことができました。最後までみんなでボールを追えたので楽しかったなって思います」

 全中を終えたあとの約4カ月、チームを引っ張ったキャプテンは「来年も樟蔭らしく全力で頑張ってほしいです」と後輩たちへメッセージを送った。今大会でスタメンを務めた2年生の小松伶は、来年の中心選手の1人。小松も仲と同じように「最後は笑顔で終われたのでよかったです」と振り返り、今後の決意を口にした。

「今回はディフェンスとかリバウンドで貢献することが自分の役目でした。今の課題はシュートなので、これからは『自分が全部決めたる』っていう気持ちで頑張りたいですし、先輩たちのように笑顔を大事にして、頭とハートを使って頑張りたいと思います」

 どんな状況になっても、全員で、最後まで笑顔を貫く。樟蔭中学校はこれからもそれを大切にしながら、日本一へ向け努力を積み重ねていく。

文=小沼克年