1月5日に行われた『京王 Jr.ウインターカップ2024-25 2024年度第5回全国U15バスケットボール選手権大会』の女…
1月5日に行われた『京王 Jr.ウインターカップ2024-25 2024年度第5回全国U15バスケットボール選手権大会』の女子2回戦で、伊那 GOLDEN PHOENIX(長野県)が鮮やかな逆転勝利を飾った。
相手は今夏の「第54回 全国中学校 バスケットボール大会」でベスト8の成績を残した札幌市立東月寒中学校(北海道)。立ち上がりからペースを握られた伊那GPは、なかなかシュートを決めることができず12-26で前半を終えた。
しかし、第3クォーター中盤に藤野珠乃愛(2年)、小沢すみれ(3年)の連続3ポイントシュートが決まって反撃の狼煙を上げ、同クォーター終了時点で4点ビハインドまで差を詰める。運動量を生かしたディフェンスも機能しだして流れを呼び込むと、最終クォーター開始早々に逆転に成功。伊那GPは前半の出来が嘘だったかのように攻守で圧倒し、最終スコア53−46で東月寒を退けた。
後半の計16分間のスコアは41-20。試合後には選手だけでなく応援席から声援を送り続けた親御さんの中にも涙を流す姿が見られ、小沢愛香ヘッドコーチも目を赤くしながら試合を振り返った。
「前半は相手のシュートがすごく当たっていましたけど、そこで慌てることなく、後半に流れを持ってくることができてよかったです。選手たちには『いつも通り、今までやってきたことをやり続けるように』と声をかけていました。後半はこっちのシュートが当たって相手のシュートが落ちるという理想的な展開になったと思います」
伊那GPは下級生主体で、登録メンバーは全員170センチ以下のチーム。19得点を挙げたキャプテンの小沢は、「3年生として試合に出ているのは私1人しかいなかったので、1、2年生に声をかけ続けることを意識しました。後半に気合を入れ直して巻き返すことができてよかったなと思います」と安堵した。
この試合、伊那GPはメインで指揮を執る井上卓也アシスタントコーチが不在だった。「今日の試合だけ井上先生が諸事情で不在だったので、最初はすごいドキドキしましたけど、まずは選手たちを落ち着かせることを一番に考えました。とりあえず先生にはいい報告ができるので、すぐ連絡したいと思います!」。
そう言って笑顔を見せた小沢HCと、キャプテンの小沢は実の姉妹だ。「いつもだったら井上先生が作戦を立てくれるのですっごく心配でした(笑)。けど、重要なところでは頼りがいがありました」と話したのは3姉妹の末っ子・すみれ。それに対し長女の愛香は、こんな言葉で妹を称えた。
「井上先生が不在ということでチームとしても不安がありましたけど、1、2年生がバタバタしてしまった時に私よりも喝を入れてくれました。そこで一気にチームが締まった印象がありましたし、私ではなくキャプテンが言ってくれたことでいい結果にも繋がったのではないかなと思っています」
6日の3回戦では四日市メリノール学院中学校(三重県)と対戦する。選手とコーチという関係でともに戦う小沢姉妹に、引き続き注目したい。
文=小沼克年