新年が明け、新クラブ発表の季節が到来した。2025年の先陣を切ったのはキャロウェイだ。Aiスモーク トリプルダイヤモンド ドライバーに乗り換えたザンダー・シャウフェレがメジャー2勝を挙げ、ツアーのストロークゲインドトータルで2位にランクイ…

ザンダー・シャウフェレがキャロウェイの新ドライバーを投入(Sarah Stier/Getty Images)

新年が明け、新クラブ発表の季節が到来した。2025年の先陣を切ったのはキャロウェイだ。Aiスモーク トリプルダイヤモンド ドライバーに乗り換えたザンダー・シャウフェレがメジャー2勝を挙げ、ツアーのストロークゲインドトータルで2位にランクインし、ストロークゲインド・オフ・ザ・ティを47位から10位に押し上げた年を経て、同社はドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド、そしてアイアンと、全てのカテゴリーを網羅したELYTEシリーズを世に送り出した。今週の「ザ・セントリー」では、シャウフェレが新しいELYTEトリプルダイヤモンドのドライバーと3番ウッドを使用している姿が目撃されている。

以下は、ELYTEシリーズについて押さえておくべきポイントである。

速度と寛容性の両立が向上

キャロウェイはドライバー設計において、スピードと寛容性の溝を埋めるため、パフォーマンスに関する3つの側面、すなわちクラブヘッド形状、素材、そして研究開発で使用されているAIに焦点を当てた。

ELYTEドライバーシリーズでヘッドスピード向上を実現しようと、キャロウェイは75種類の異なる形状を組み上げ、スピードアップに対し慣性モーメントと重心位置を犠牲にしないヘッド形状を模索した。Aiスモークと比較すると、ELYTEはヒール部分の形状が低く、リボンがより深くて高くなった。

通常、ドライバーの設計においてリボンを高くすると、重心位置が高くなり、結果としてスピン量が増加する。これを防ぐため、キャロウェイは素材をカーボンファイバーから、より軽量で強じんな熱成形カーボンへ変更した。ELYTEドライバーのヘッドには、これまで用いられていたチタン合金とウエートを取り除くため、外周からクラウン全体、そしてリボンセクションにかけて熱成形カーボンを使用さ。この結果、重心位置とスピン量の両方が低くなった。

ゴルフクラブ製造でAI利用の最前線にいるキャロウェイはクラブフェースを再開発し、ELYTEシリーズで10倍の操作点を生み出すAi 10Xフェースを採用した。データ量の増加に伴い、打点によるボール初速とスピン量の最適化を実現させ、これまでのフェース設計と比較すると、ミスヒットに対する精度のばらつきを低減することに成功した。

ドライバーは全4種類

キャロウェイのElyte X (Credit Callaway media)

今シリーズで発表したのは、スタンダードのELYTE、X、トリプルダイヤモンド、マックスファストの4種類。スタンダードのELYTEモデルは大多数のプレーヤー向けであり、フェード、ニュートラル、そしてドローバイアスを調整するための可動式ウエートがヘッド後方に装着されている。

ELYTE Xモデルは、ヒール寄りに重量配分されており、ニュートラルからドロー設定となっている。マックスファストは軽量ヘッドがヘッドスピード向上を実現するモデルで、こちらもニュートラルからドロー設定となっている。今作でもトリプルダイヤモンドを採用。こちらはツアー好みの形状で、ヘッド最後尾には安定性のための取り替え可能なウエートスクリューが搭載され、低スピンで操作性の高いモデルとなっている。

フェアウェイウッド

Elyteの3番ウッド(Credit Callaway media)

ELYTEドライバーシリーズの4モデルにTiモデルも加わったELYTEフェアウェイウッドは高打ち出し、低スピンでターフの抜けが向上している。フェース下部でのミスヒット、フェース全域でのコンタクトという2点が、今回のフェアウェイウッド開発における主眼となっている。

下部でのコンタクトを補助すべく、キャロウェイはタングステンスピードウエーブを創出。これはヘッド前低部に配された35グラムのタングステンであり、ボール初速とスピン量の向上を実現する。

キャロウェイはエイペックスユーティリティウッドで初めて試みたソール形状設計の向上により、フェース全域でのコンタクトの増強を模索してきた。ELYTEフェアウェイウッドの構造では、ソールと地面とのコンタクトで57%の低減が実現しているため、ゴルファーはよりターフに対して打ち込めるようになっており、フェース全域でコンタクトポイントを深くすることが可能となっている。

ドライバーシリーズでも用意されている4モデルに加え、ELYTEチタニウム(Ti)を作り出した。この独特のモデルは、ELYTEスタンダードモデルとトリプルダイヤモンドヘッドの設計を融合させたものであり、よりディープなフェース、チタン製のフェースとボディが特徴となっている。

ハイブリッド&アイアン

今回のローンチには、3種類のハイブリッドと4種類のアイアンも含まれる。スタンダード、X、マックスファストからなるELYTEハイブリッドには、調整可能な13グラム(マックスファストのみ9グラム)のタングステンと3グラムのアルミ製ウエートが装着されていおり、これを切り替えることで、ニュートラルからドロー弾道に設定することが可能となっている。これに加え、7種類のロフトとライ角の組み合わせが選べるOptiFit 4ホーゼルシステムが、さらなる微調整を可能としている。

ELYTEアイアンは、スタンダード、HL、X、そしてマックスファストの4種類で、全モデルにウレタンを20%増量。これにより、トップラインを強化して安定感を増強させた新機軸のスピードフレーム構造、Ai 10Xフェース、そしてトライソール設計が搭載されている。ソール設計はツアープレーヤーにインスパイアされ面取りされたシャープなリーディングエッジが効果的なターフの抜けと、速度、寛容性の向上を実現している。

ELYTEスタンダードモデルは、洗練された形状が飛距離と一貫性を両立させた。HLは高打ち出しモデルで、Xモデルは寛容性重視の大型形状。マックスファストはヘッドスピード向上を促す軽量設計になっている。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)