今週は2025年の幕開けを飾る恒例のハンデ重賞、第74回中山金杯(GIII、芝2000m)が中山競馬場で行われる。今年は、ディフェンディングチャンピオンのリカンカブールをはじめ、昨年の函館記念を制したホウオウビスケッツ、新潟記念覇者シンリョ…
今週は2025年の幕開けを飾る恒例のハンデ重賞、第74回中山金杯(GIII、芝2000m)が中山競馬場で行われる。
今年は、ディフェンディングチャンピオンのリカンカブールをはじめ、昨年の函館記念を制したホウオウビスケッツ、新潟記念覇者シンリョクカ、ダービー卿CTを制したパラレルヴィジョン、中京記念覇者のアルナシーム、紫苑Sを制したクリスマスパレードに、ラーグルフやカラテなど、重賞ウイナーが顏を揃え、豪華なラインアップとなった。
そんな中、トップハンデ59.5キロを背負うホウオウビスケッツが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■初コンビの鞍上が、トップハンデで逃げ切れるか……
昨年、2勝2着1回3着3回と、重賞戦線で安定した力を見せたホウオウビスケッツ。夏の函館記念で初重賞制覇を果たすと、秋は毎日王冠でコンマ1秒差の2着、続く天皇賞(秋)では、ドウデュース、タスティエーラに続くコンマ3秒差の3着に好走し、あっと言わせるシーンを作った。明けて5歳の今季は、さらなる高みを目指すこととなる。
しかし、今回はハンデ戦の中山金杯で、59.5キロを背負うこととなる。毎日王冠や天皇賞(秋)の評価も加味されての斤量だろうが、あくまでGIII1勝の身。同実績のリカンカブール、パラレルヴィジョン、アルナシームなどの58キロに比べると、いかにも背負わされた印象がある。
過去10年の中山金杯で、59キロ以上の馬が出走した例はなく、58.5キロの馬が【0.0.0.2】の成績。58キロが【2.1.0.5】で、勝った19年ウインブライトと20年トリオンフは、両者とも重賞を複数回勝っていた馬、15年2着ロゴタイプはGI馬で、トップハンデを背負っても勝ち負けできる実績を持っていた。一方、敗れた馬は、重賞1勝馬やオープンを制して勢いに乗っていた馬たちが多く、斤量を背負わされてしまい、厳しい戦いを強いられる結果となっている。
また、ホウオウビスケッツは逃げて結果を出してきているが、過去10年の中山金杯で、逃げ馬は【0.1.2.7】と勝ち切ることができていない。前走で逃げた馬も【1.0.0.9】と厳しい戦いを強いられており、ましてや、59.5キロを背負って逃げ切ることは難しいのではないか。
加えて、今回は乗り慣れた岩田康の騎乗停止により、H.ドイルとの初コンビとなる点も懸念材料。22年秋に短期騎手免許を取得して来日以降、昨年まで3年連続で参戦しているが、重賞勝ちはなく、オープンも含めると【0.0.2.25】と、オープン以上のレースでは勝てていない。良績も中京、福島に集中しており、中山芝ではわずかに1勝と、大きな信頼は寄せられない。
GII、GIで見せたパフォーマンスを発揮できれば、GIIIなら、と思われる実力を兼ね備えているホウオウビスケッツだが、酷量59.5キロを背負う点や、逃げ馬にはつらい一戦、乗り慣れた鞍上からの乗り替わりと、今回に関してはマイナス材料が多く、妙味を考慮すると、思い切って「消し」でいってみたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか 20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。