24年の不振から進化を図れるか。佐藤輝への関心は高まっている。(C)産経新聞社指揮官は自身の“構想”を公表 2025年のプロ野球開幕は3月28日。球春到来はまだ先だが、一足早く、“妄想”で開幕オーダーを考えてみたい。今回は阪神編だ。 38年…
24年の不振から進化を図れるか。佐藤輝への関心は高まっている。(C)産経新聞社
指揮官は自身の“構想”を公表
2025年のプロ野球開幕は3月28日。球春到来はまだ先だが、一足早く、“妄想”で開幕オーダーを考えてみたい。今回は阪神編だ。
38年ぶりの日本一をやってのけた勢いそのままに、球団史上初の連覇に向け、発進した24年の阪神。名将・岡田彰布監督の采配は随所で冴えたが、主力の不振が顕著だった打撃陣の火力不足が悪目立ち。投打の歯車が噛み合わない中でレギュラーシーズンこそ2位でフィニッシュしたが、本拠地・甲子園でのクライマックスシリーズでは全敗(0勝2敗)でファーストステージ敗退。虎党たちも肩を落とす結果となった。
【動画】長打力は半端ない!佐藤輝明が放った圧巻の満塁弾シーン
迎える25年は、球団のレジェンド守護神である藤川球児新監督を招聘。新たなリーダーの下で捲土重来を期したオフには、流出危機が叫ばれた大山悠輔、糸原健斗、原口文仁、坂本誠志郎がFA宣言後に残留を決意。とりわけ巨人が6年総額24億円を超えるメガオファーを提示したとされる「不動の4番」大山の慰留は、チームにとって何よりの“補強”と言えよう。
ずばりチームの課題は「打線の強化」。その中でめぼしい補強は、DeNAに所属した楠本泰史とMLBでの出場経験もあるラモン・ヘルナンデスぐらい。継続してきた「生え抜き育成路線」が真価を問われるところである。ゆえに課題の改善には、現有戦力の底上げが求められる。年間を通して抜け目なく戦える打線の確立は、藤川監督が1年目から果たさなければならないタスクとなる。
すでに指揮官は自身の“構想”を公表。『スポーツ報知』に掲載された掛布雅之OB会長との対談内で、すでに膨らませている打線を告白したのだ。その内容はかなり具体的で、3番を佐藤輝明、4番を森下翔太、5番を大山悠輔とするクリーンナップも明かされている。
その内容から、軸となるのはおそらく藤川監督が公表したメンバーとなるはず。ゆえに、ここでは実戦で組まれたら面白そうな“妄想”オーダーを記していく。その顔触れは下記の通りだ。
(中)近本光司
(三)佐藤輝明
(右)森下翔太
(一)大山悠輔
(左)前川右京
(捕)坂本誠志郎
(二)中野拓夢
(遊)木浪聖也
(投)才木浩人
冒頭で触れたように、現有戦力をどう活かすかが、今年の阪神のカギ。そういう意味では、佐藤輝の2番起用は厚みを生む。2番に強打者を据える構想は近年のMLBでは当然のものとして用いられている施策。それを取り入れるという意味でも面白い。
し烈を極めるであろう「2つのポジション争い」は――
24年の佐藤は2軍落ちを経験。打率.268、16本塁打、OPS.766と周囲の期待を上回れなかったのは事実だ。だが、.100以上あれば「一流」とされる純然たるパワーを表す指標『ISO』が.171を叩き出すパワーはやはり魅力だ。
すでに秋季キャンプの紅白戦で試している大胆プランが機能すれば、不動のリードオフマンである近本の安定した出塁力の高さも活きる。そうなれば、阪神の上位打線は相手バッテリーの脅威となるだろう。
し烈を極めるであろう2つのポジション争いも見どころだ。
まず一つ目は左翼手。現時点では成長著しい前川が「本命」だが、ここに井上広大、野口恭佑、そして新助っ人のラモン・ヘルナンデスが絡むか。いずれも打線のコアとなり得る選手たちだけに彼らの競争は、必然的にチーム力の底上げともなる。
そしてもう一つは、遊撃手だ。24年は木浪が116試合に出場したが、一昨年の日本一を知る30歳も打率.214、出塁率.285と精彩を欠いた感は否めず。ポジションが確約されているとは言い難い。故障から本格的に復帰する小幡が食い込む可能性もある。23年の岡田・阪神で「恐怖の8番」が打線の厚みを生んだ背景を考えれば、ここがハマるかも藤川体制のポイントの一つとなるか。
開幕投手は才木が有力だ。24年にチーム最多の13勝を挙げ、防御率1.83、WHIP1.06の圧巻の成績を残した26歳は、伸びしろ十分。開幕戦の相手である広島との相性を考えて村上頌樹や大竹耕太郎の可能性もゼロではないが、新たなエース投手の確立という意味で、背番号35を抜擢するメリットは大きい。
現役時代に数々の名将の薫陶を受けてきた藤川監督が、ある種出来上がったチームをいかに操舵し、変化を生み出していくのか。その手腕も注目したい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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