12月31日(火)さいたまスーパーアリーナで開催されたRIZIN DECADE「RIZIN49」にて、RIZINフライ級王者・堀口恭司がエンカジムーロ・ズールーの挑戦を退けて、同王座の初防衛に成功した。【映像】手に汗握る攻防が続いた序盤 …

 12月31日(火)さいたまスーパーアリーナで開催されたRIZIN DECADE「RIZIN49」にて、RIZINフライ級王者・堀口恭司がエンカジムーロ・ズールーの挑戦を退けて、同王座の初防衛に成功した。

【映像】手に汗握る攻防が続いた序盤

 昨年大晦日に神龍誠にバックチョークで一本勝ちして、バンタム級に続いてフライ級でもRIZINのベルトを巻いた堀口。6月の「RIZIN.47」では過去にKO負けを喫しているセルジオ・ペティスへのリベンジを果たし、3年連続6度目の大晦日RIZIN出場を迎えた。

 試合はちょうど1年前に獲得したRIZINフライ級王座の初防衛戦として組まれ、挑戦者は南アフリカのズールー。アフリカ大陸のビッグプロモーション=EFCでは2階級制覇を成し遂げ、2016年には「The Ultimate Fighter(TUF)24」にも出場。RIZINデビュー戦となった、9月の「RIZIN.48」では新井丈をTKOで下し、今回の挑戦権を掴んだ。

 ペティス戦以来、約6カ月ぶりの試合となった堀口はテイクダウンを軸に試合を有利に進めていくが、1・2R終盤に死角からズールーの左のパンチ浴びてバランスを崩してしまう。「あのパンチは見えなかった」(堀口)という一発だったが、堀口は慌てることなくズールーをテイクダウンして、打撃を受けない展開を続けて試合終了のゴングを聞いた。
 
 結果は堀口の判定勝利だったが、ズールーの打撃でぐらつき、テイクダウン主体の試合運びをしたことで堀口が苦戦したという印象も残る試合だった。堀口自身も試合後のインタビューでは開口一番「課題が出来た試合だなと思いましたね。気分が落ち込んでます」と苦笑いして試合を振り返った。
 
 その一方で試合直後にセコンドについたATTヘッドコーチのマイク・ブラウンとすぐに試合映像を確認し「ここがダメだったよねって話をしました。なんでパンチをもらったんだろう?とか。あのパンチは見えなかったんで。やっぱり意識以外のところからパンチが来るとどうしてもフラフラしちゃう。そういうところを直そうと思いました」と修正すべき点を確認したという。今回のズールー戦は派手なKOや一本勝ちではなかったからこそ、自分が強くなるために何をすべきかを真っ先に考える堀口のストイックな姿勢が見えた試合だった。
 
 試合後は改めて「自分は世界で一番になることを目指しているので、そこに挑戦したい」とUFCへの挑戦意思を表明した堀口。RIZIN榊原信行CEOもそれを尊重したうえで「一足飛びにUFCはないと思うので、UFCのダナ・ホワイトが『(朝倉)海に続いて恭司もほしいよね』と思うところまで、RIZINで圧倒的な強さを見せる必要があると思う。RIZINには恭司を中心に海外にも強い選手がいるので、夏くらいから(フライ級)GPを現実的に考えていきたい」と2025年のフライ級GP開催のプランがあることを明かした。

 RIZIN、Bellatorでベルトを巻いてもなお強さへの追及を続ける堀口。どんな道を進むにせよ、2025年も堀口の挑戦が日本の格闘技ファンを熱くしてくれるに違いない。

文/中村拓己
(C)RIZIN FF