ハンデ戦のGIIIというイメージに反して、中山金杯は出世レースでもある。とりわけここで重賞初制覇を果たした馬には、後のGI馬がズラリ。そんな馬を紹介したい。 最初に取り上げたいのは95年のサクラローレルだ。900万下、1500万下と連勝…

 ハンデ戦のGIIIというイメージに反して、中山金杯は出世レースでもある。とりわけここで重賞初制覇を果たした馬には、後のGI馬がズラリ。そんな馬を紹介したい。

 最初に取り上げたいのは95年のサクラローレルだ。900万下、1500万下と連勝して参戦。1番人気は同じく明け4歳(※現在の年齢表記)のオフサイドトラップに譲ったが、レースは独壇場だった。道中は中団に構え、3〜4角で大外から一気に進出。直線に向いて馬なりで抜け出すと、2着のゴールデンアイに2馬身半差の圧勝を収めた。その後、骨折による長期休養を強いられたものの、翌春に復帰。天皇賞(春)と有馬記念を制し、96年の年度代表馬に選ばれている。

 98年のグルメフロンティアも印象的な1頭だ。前年の秋からカブトヤマ記念で3着、天皇賞(秋)で5着、愛知杯が2着と重賞で好勝負を続ける。そして中山金杯で1番人気に応え、待望の重賞初制覇。その後は5戦ぶりのダートとなるフェブラリーSへ。強豪揃いとあって6番人気に甘んじたが、中団前寄りから突き抜けて4馬身差の圧勝。GI初制覇を果たし、父トウショウペガサスの名前を一気に高めることとなった。

 そして近年の代表格は15年のラブリーデイだ。2歳時から一線級で活躍しながら、重賞では2着3回、3着1回の惜敗キャラだった。しかし、5歳初戦となった中山金杯で待ちに待った初タイトルを獲得。この勝利を機に覚醒し、続く京都記念も快勝。さらに夏以降は鳴尾記念、宝塚記念、京都大賞典、天皇賞(秋)とGI・2勝を含む破竹の4連勝。キングカメハメハ産駒らしい成長力を発揮し、古馬の大将格に上り詰めた。

 この他にも古くはオンスロートやクシロキング、平成になって以降ではシャドウゲイトなど、中山金杯を足掛かりにビッグタイトルを手にした馬は数多い。そういった視点でも、東の開幕重賞は要注目となりそうだ。