12月31日(火)さいたまスーパーアリーナで開催されたRIZIN DECADE「RIZIN49」のメインイベントでクレベル・コイケが鈴木千裕に判定勝利し、第6代RIZINフェザー級王座に就いた。【映像】グラウンドの攻防でクレベルに強烈なカ…

 12月31日(火)さいたまスーパーアリーナで開催されたRIZIN DECADE「RIZIN49」のメインイベントでクレベル・コイケが鈴木千裕に判定勝利し、第6代RIZINフェザー級王座に就いた。

【映像】グラウンドの攻防でクレベルに強烈なカカトを落とす鈴木千裕

 10度目のRIZIN大晦日となった今大会のメインイベントに組まれたのは王者・鈴木vs挑戦者クレベルのRIZINフェザー級タイトルマッチ。鈴木とクレベルは2023年6月の「RIZIN.43」で対戦しており、この時は王者クレベルに鈴木が挑む形だったが、クレベルが公式計量をオーバーしたため試合前に王座剥奪。試合そのものはクレベルが腕十字で一本勝ちしていたものの、公式記録では無効試合という裁定が下された因縁のリマッチでもあった。

 試合は両者の持ち味=鈴木の打撃とクレベルの寝技がぶつかる熱戦となったが、勝ったのはクレベルの寝技だった。1Rは下からの寝技で足関節を仕掛け、2Rはほとんどの時間をマウントポジションやトップキープで攻め続ける。3Rは鈴木のヒジ打ちで額の左をざっくりとカットしたものの、ガードポジションから得意の三角絞めを極めかけ、最後は再びマウントポジションを取るなど、鈴木を攻め続けた。

 これまでクレベルはサブミッション=極めの強さが目立っていたが、この日の試合で光ったのはポジションのキープ力。クレベル自身も鈴木の寝技のレベルが上がっていたことを認めて「一本勝ち出来なかったことが悔しい」としつつ「自分の寝技のコントロールが進化していたと思う」と語っていた。

 自身のレベルアップで王座返り咲きを果たしたクレベルだが、フェザー級はRIZINでも群雄割拠の激戦区だ。この日もMMA無敗を誇るラジャブアリ・シェイドゥラエフが久保優太を一方的な試合展開でレフェリーストップに追い込み、フェザー級随一のハードパンチャー=カルシャガ・ダウトベックもYA-MANに判定勝利。クレベルに敗れた鈴木も「ここで諦めたら全部が無駄になる。これから1年、最短で取り返す」とクレベルへのリベンジを宣言し、一階級上のタイトルに挑んだ元フェザー級王者ヴガール・ケラモフも適正階級での王座再挑戦を希望している。また5月4日に東京ドームで「THE MATCH 2」が開催され、朝倉未来VS平本蓮のリマッチも発表された。

 強豪ひしめく階級のベルトを巻いたクレベルは「フェザー級は混乱している状態で、国内外に強い選手が多い。自分はあまり人を褒めるタイプじゃないけどYA-MANは素晴らしい試合をしたし、武田光司もいる。朝倉と平本はどちらも好きじゃないし、その再戦はくだらないと思うが、この階級を盛り上げる意味では重要な役を担っている。次誰と戦うかはRIZINが選ぶことで、私は誰が相手でも戦う。2024年の目標はベルトを取り戻すことだったから、2025年の目標はベルトを守ることだ」とチャンピオンらしく語っている。

 いつ何時、誰の挑戦でも受ける。そんな王者と共に2025年のRIZINがスタートした。

文/中村拓己
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