第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高)が1月5日(日)に東京体育館(東京都渋谷区)で開幕する。2年生時には日本代表に選出された秋本美空(共栄学園高〔東京〕)にとっては最後のオレンジコート。キャプテンとしても成長した姿を、注目の…
第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高)が1月5日(日)に東京体育館(東京都渋谷区)で開幕する。2年生時には日本代表に選出された秋本美空(共栄学園高〔東京〕)にとっては最後のオレンジコート。キャプテンとしても成長した姿を、注目の集まる舞台で見せつける
2025年の目標に「日本一」と書いた秋本
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ーーいよいよ高校生活最後の大会を迎えます。これまでどんな3年間でしたか?
途中まではあと1年もあるのかと思いましたが、春高予選が終わるとここまで早かったです。
ただ、春高の出場は決まったけど、(東京都代表決定戦で)3位だったので。ほかの県は1位通過で、自分たちよりも強いと思います。 今までどおりの練習では負けてしまうと思うので、ミスをしても流さないで、話し合いながら質の高い練習をしたいです。
ーーこの1年間はキャプテンになり、インターハイ出場を逃す悔しさを味わいました。個人として「2024女子U20アジア選手権大会」に出場しましたが、印象的なトピックスはありますか?
あまりパッとは出てこないですが、最近、インタビューでよく裕子(山下/春高都代表決定戦で活躍した身長183㎝の1年生)のことを聞かれて。前までは鈍臭いところもあったんですけど(笑) でも、皇后杯関東ブロックラウンドからいろんな攻撃ができるようになって、すごく成長しました。今までずっとコートには3年生しかおらず、裕子はわからないこともあると思うので、わかりやすい言い方をするようになって。3年生は前よりも優しくなりました(笑)
ーーそれでは、2024年でいちばんに思い浮かぶのは山下さんなんですね
山下さんです(笑) スパイク練習のときは中村先生(文哉監督)にも「美空の後ろにいけ」と言われていて。こうやるんだよ、と教えたりしました。結構上手になったと思います。
ーー春高都代表決定戦の3位決定戦(対文京学院大女高)では、第2セットのジュースの場面で点を決めて涙を流していました
まあ、(得点が)決まるならいいかな、って(笑) 「なんで泣いているの?」って聞いたら、「自分のせいで負けそうだから」と言っていました。だから、「まだ負けていないよ!」と話しました。予選の中でいちばんこういう(競った)試合をしたので、春高ではそれを乗り越えた自信が出ると思います。
3位決定戦の第2セット、得点を決めて涙を流す#2山下を労う秋本(右端)
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ーー逆にご自身はどんな1年生でしたか?
とりあえず上がった球を打つ、みたいな(笑)
ーーそこからキャプテンになり、この1年間の成長はいかがでしょうか?
声かけをするように意識していて。キャプテンになったからチームをまとめないといけない。エースでユース(日本代表)にも選ばれているから、プレーでもチームを引っ張らないといけないと思っています。声をかけるタイミングや言い方に注意したり。合っているかはわからないけど、「こうしたほうがいいんじゃない?」と言うようにしました。
ーー1年生時から選ばれているアンダーエイジカテゴリー日本代表での経験も生きているのでしょうか?
ユースでは自分の意見を言わないといけません。ほかの人が言いづらかったら、質問の仕方や雰囲気を考えたり、みんなで発言しやすいようにしています。
ーー春高の組み合わせが決まりました。東九州龍谷高(大分)が第4シードで、古川学園高(宮城)らが入るゾーンになりました
古川(古川学園高)には3月のさくらVOLLEY(全国私立高等学校男女選手権大会)で勝ちましたが、そこから強くなっていると思うので気が抜けません。東龍(東九州龍谷高)も強いと聞いています。
でも、もちろん初戦で対戦する近江兄弟社高(滋賀)や、東雲(松山東雲高/愛媛)も強いので。去年の試合を通しても、初戦から気が抜けないと思います。
——昨年は1回戦で熊本信愛女学院高(熊本)にストレートで敗れました
調子がよくなくて、トスが上がってこなくて。いざ上がってきても打ちきれませんでした。セッターが同級生(岩川友渚)で、困ったときは私にトスを上げるようにしてきたので、そうなったときに決められるようにしたいです。
まずはセンターコート(準決勝)までいって、去年優勝した就実高(岡山)を頑張って倒して。(逆のゾーンは)成徳(下北沢成徳高/東京)と金蘭(金蘭会高/大阪)のどっちが勝つか。成徳だったら代表決定戦で負けたので勝ちたいし、金蘭だったら高校1年生の春高で負けたから、そのリベンジをしたいです。
本戦出場を決め、仲間たちに抱きつかれる秋本(右端)
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ーー皇后杯関東ブロック大会で話を聞いた際、東京都代表決定戦に向けて「1位通過で日本一になれるように。とりあえず東京でいちばんのスパイカーになりたい」と言っていました。本戦ではどんな存在になりたいですか?
「東京でいちばん」と言っていましたか? 最近2、3回くらいインタビューを受けて、「世代No.1エース」が自分なんだって、初めて知りました。心優美(福村〔就実〕)やモン(イェーモン ミャ〔下北沢成徳〕)、美波(西村)や咲愛(大森〔ともに金蘭会〕)だと思っていたので、びっくりしました。
「世代No.1エース」という言葉を知ったのが多分高校1年生のときでした。鎮西高(熊本男子)が好きで、舛本(颯真/現中央大2年)くんが「世代No.1エース」だと知っていて、「自分がそれ?」という感じです。でも春高では、そう言われても恥をかかないような、言われるにふさわしいプレーをしたいです。
秋本美空
あきもと・みく/3年/身長184㎝/最高到達点305㎝/共栄学園中(東京)/アウトサイドヒッター/U18日本代表(2022年度)、日本代表、U19日本代表(23年度)、U20日本代表(24年度)
文/田中風太(編集部)
写真/山岡邦彦(NBP)、編集部
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