ダニエル・ポヤトス監督体制1年目だった23年は最後の最後までJ1残留争いに巻き込まれたガンバ大阪。しかしながら、202…

 ダニエル・ポヤトス監督体制1年目だった23年は最後の最後までJ1残留争いに巻き込まれたガンバ大阪。しかしながら、2024年はリーグ戦4位、天皇杯準優勝という急浮上を見せることに成功した。

 12月8日のJ1最終節・サンフレッチェ広島戦を見ても、エース・宇佐美貴史をケガで欠く中、中谷進之介一森純を中心とした強固な守備が光った。そのうえで21歳の成長株・坂本一彩が2ゴールをゲット。中谷も1点をマークし、3-1で勝ち切っている。その戦いを見ても分かる通り、今季のガンバはとにかく堅守が非常に際立っていたのだ。
 改めてリーグ戦38試合を総括すると、18勝12分8敗の勝ち点66。負け数ではJ1連覇を果たしたヴィッセル神戸、2位の広島と並んでいる。その要因はやはり手堅い守備以外の何物でもない。今季ガンバの総失点は35で、町田の34に次ぐ2位。名古屋グランパスから加入した大黒柱・中谷進之介が「1試合1失点以下を達成したい」とシーズン中に話していた通り、見事にその数字をクリアしたのである。

■堅牢な守備が25年はさらに強固に

 最大の立役者は中谷だ。彼は38試合フルタイム出場を果たし、頭抜けた統率力と発信力を披露。Jリーグベストイレブンも初受賞し、名実ともにJ最高DFの評価を得た。
「名古屋から移籍する時に『何で?』とすごく言われましたけど、『自分の中で何かを変えないといけない』という危機感が強かった。その気持ちを持ち続けて今シーズンやりましたし、チームの上昇とともに僕自身の感覚もよくなっていった。決断してホントによかったと思います」と、本人も激動の1年をしみじみと振り返っていた。
 一方の一森も「昔からそうなんですけど、GKとセンターバック(CB)がしっかりしていればチームはなかなか崩れない。ガンバは昨季失点がすごく多くて(61)、戻ってきた時にそういう癖というか緩さを感じたんで、そこはしっかりやらないといけないと思っていました」と語気を強めた。横浜F・マリノス時代にAFCチャンピオンズリーグACL)を経験し、数々の修羅場をくぐってきた守護神は細部へのこだわりをチームに植え付けようとした。それも失点減の大きな力になったはずだ。
 彼らに引っ張られて、福岡将太半田陸黒川圭介も成長。ケガもあって控えに甘んじたベテランGK東口順昭も「もっと状態を引き上げないといけない」と自覚を強めたという。そこに右ひざ前十字じん帯断裂で今季中の復帰が叶わなかった三浦弦太が戻ってくれば、堅牢な守備はより一層、ブラッシュアップされるはず。2025年はJ1最少失点が大きな目標になるだろう。

■必須テーマは攻撃陣のテコ入れ

 そのうえで、攻撃陣のテコ入れを果たすことは必須テーマだ。今季のガンバは引き分けが12もあり、上位陣の中では「ここぞというところで勝ち切れない」という印象が強かった。中谷も「夏場から秋にかけて貴史(宇佐美)以外の得点源が見つからなくて、勝ち点を落としていたのは確か。あと2~3勝していたら、タイトルに手が届いたかもしれなかった。そのあたりは悔やまれるところ」と指摘していた。
 前述の広島戦で2ゴールを奪った坂本がシーズン2ケタゴールを達成し、近未来のエースに飛躍できそうなポテンシャルを示ししかしながら、若いタレントは海外移籍予備軍でもある。2025年も1年間ガンバにいるとは限らないし、夏に新天地に赴く可能性もないとは言い切れない。そういった不確定要素がある分、今夏、ベルギーから戻ってきた林大地や外国人FW陣のブレイクが待たれるところだ。
 ガンバは2015年の天皇杯制覇以来、長くタイトルから遠ざかっている。同じ関西勢のライバル・神戸が頂点に立っている現状を何としても打破してほしいと熱狂的サポーターは強く願っているはず。その一大テーマをどう実現していくのか。25年の動向が大いに気になる。
(取材・文/元川悦子)
(後編へ続く)

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