2024年が間もなく終わる。スコッティ・シェフラーが男子ゴルフ界を圧倒した今季は、松山英樹が復活を遂げた一年でもあった。PGAツアーのオリジナルコラムは今回、ツアーのChuah Choo Chiang氏が日本勢をはじめとしたアジア出身選手…

日本人PGAツアー選手は5人に

2024年が間もなく終わる。スコッティ・シェフラーが男子ゴルフ界を圧倒した今季は、松山英樹が復活を遂げた一年でもあった。PGAツアーのオリジナルコラムは今回、ツアーのChuah Choo Chiang氏が日本勢をはじめとしたアジア出身選手の活躍について記した。

■日本人PGAツアー選手は2025年に5人に

金谷拓実と松山英樹は2025年にPGAツアーでプレーする(Getty Images)

2024年2月に32歳になったアジアのスター、松山は今季のPGAツアーで2勝して通算10勝目を飾った。2月の「ジェネシス招待」、8月の「フェデックスセントジュード選手権」を制して、アジア勢として歴代最多勝選手としての地位を固めた。フェデックスカップは9位タイでフィニッシュ。「パリ五輪」では銅メダルを獲得し、世界ランキングを6位として一年を締めくくった。

日本には目上の人、先人に敬意を示す表現として「SENPAI(先輩)」という言葉がある。松山はこれまで日本人ゴルファーの兄貴分として、若い選手のロールモデルになってきた。25年は若手の久常涼とともに、新しく3人の仲間をツアーに迎えることになる。

星野陸也大西魁斗金谷拓実はそれぞれ異なるルートで、ゴルフの“約束の地”にたどり着いた。それぞれDPワールドツアー(欧州ツアー)のシーズンでトップ10、下部コーンフェリーツアーでのトップ30、そして最終予選会でトップ5に入った。PGAツアーに日本人ゴルファーが5人在籍するのは、2003年以来だという。

松山は「パイオニアは僕ではない。ほかに多くの選手たちが自分よりも前にプレーして、僕が目標を叶えるための基礎を築いてくれた。トライして、苦しんで、努力されていた姿すべてが素晴らしいお手本だった」と語る。青木功に始まり、丸山茂樹今田竜二小平智といったPGAツアーで優勝した日本人選手たちに敬意を払う。

■台湾で3人目の優勝者が誕生

台湾出身のユ・チュンアン(Getty Images)

日本勢のような世代の循環はアジアの他の地域でも活発だ。台湾のユ・チュンアンは10月の「サンダーソンファームズ選手権」でブレーク。T.C.チェン(1987年LAオープン)、C.T.パン(2019年RBCヘリテージ)に続く3人目の優勝選手になった。「文字通り、夢が叶った。5歳からこの瞬間を夢見てきた。PGAツアーで優勝することはすべてのゴルファーにとっての夢。ついにやった!」

ユは12月初旬、自身のエリートキャンプ(ジュニアレッスン)を初めて実施。13人のジュニアが参加し、故郷のゴルフ界の発展に力を尽くした。子どもの頃、彼は女子ゴルフの元世界ランク1位のツェン・ヤニのクリニックに参加して刺激を受けた過去がある。

「人生で最高の思い出のひとつ。10歳か、12歳の頃にヤニのクリニックに参加して、素晴らしいプレー見て、衝撃を受けた。ゴルフコースと向き合うこと、我慢強く戦うことのメンタリティについて話してくれたんだ。僕もゴルフに恩返しがしたい。自分が経験してきたのと同じことが、今の子どもたちにも起きている。自分が時間を使うことで、彼らが目標を達成するサポートができたら素晴らしい。自分の経験を共有したいと思うんだ」

■韓国勢が世界選抜で活躍

世界選抜でプレジデンツカップをプレーした(左から)イム・ソンジェ、トム・キム、アン・ビョンフン(Getty Images)

2024年はPGAツアーで優勝した韓国人はゼロだった。しかし、イム・ソンジェアン・ビョンフンがシーズン最終戦の「ツアー選手権」に進出。6年連続でトップ30によるエリートフィールドでプレーしたイムは7位に入った。それまでに5回のトップ10入りを果たしたアンはアトランタの戦いを21位で終え、キャリアベストの記録を残した。

また、キム・シウーはポイントレースを32位、トム・キムは59位でフィニッシュ。9月の「プレジデンツカップ」では世界選抜を引っ張り、カナダのロイヤルモントリオールで米国選抜を相手に奮闘した。25年もアジア勢の活躍から目が離せない。