■「全然、満足できない」「まだ、足りない」 三笘薫の所属するブライトンは、12月27日にホームでブレントフォードと対戦した。 ブライトンは直近の5試合で3分2敗の未勝利。11月23日のボーンマス戦に勝利した後は順位を5位まで上げたが、ここか…
■「全然、満足できない」「まだ、足りない」
三笘薫の所属するブライトンは、12月27日にホームでブレントフォードと対戦した。
ブライトンは直近の5試合で3分2敗の未勝利。11月23日のボーンマス戦に勝利した後は順位を5位まで上げたが、ここから勝利に見放され、現在は10位までポジションを下げた。しかも今回は、12位のブレントフォードが相手。両者の勝ち点差は2ポイントしかなく、ブレントフォードに敗れた場合は順位でも逆転される状況にあった。
ブライトンとしては必勝体制で挑んだはずだが、試合は0−0のドローに終わった。シュート数は、ブライトンの24本に対し、ブレントフォードは8本。ブライトンが優勢だったが、またしても勝利できず、未勝利記録は6試合に伸びた。
この試合で後半22分まで出場した三笘は、試合を静かに振り返った。
「全然、満足できない。最終的なところのクリエイトがなかなかできていないので。監督は継続性のところを常に言っている。ゴール前に入っていくところがまだ足りない。前(攻撃陣)の責任はこの5〜6試合、大きいと思います。クリーンシート(無失点)は良いですが、前の責任は重いかなと」
記者団から「勝利がなく、チームとして余裕がない部分もあるのでは」と質問が飛ぶと、三笘は次のように返した。
「どうですかね。そういうところもあるかもしれないです。結果が出ないと1人1人が他のところに目が行ったり、自分と向き向き合えないところも出てきたりしますが、そういうときは逆にチャンスだと思います。成長できるチャンスかと。結果が出るまで、やっていくしかない」
三笘としては、好機に多く絡んだ一戦だった。この試合に関して言えば、中央にポジションを移してボールを受けるよりも、左サイドのタッチライン際、つまり大外のエリアから仕掛ける場面が多かった。この点について、三笘は次のように説明した。
「自分は、サイドにいたほうが強みがあると思う。そこを出そうと思った。また、真ん中に入りすぎると、スペース的にFWが動きづらいところがあると感じた。(サイドの大外で受けるのは)毎試合ではないないですけど、(臨機応変に)考えながらやっていますし、監督が求めるところもあるので。(相手にネットを揺らされたが、VAR判定で)オフサイドになりましたけど、あそこは自分の守備エリアからやられた。そこは反省しなくてはいけない」
三笘が得点に近づいたのが、前半43分のミドルシュートだった。
■「彼が入ることでチームも流動してくる」
コーナーキックのこぼれ球を左足でシュート。サイドネットにあたって得点にならなかったが、三笘はシュートを決めきる力が必要と力を込める。
「惜しいだけではまったく意味ないので、決めきるところが大事。コンディションは上がってきているので、これから良いプレーや、結果に結びつけるプレーをしないといけない。サポーターも相当我慢してくれているので、彼らの期待に応えないといけない」
三笘の言うように、ドローの結果にサポーターは落胆していたが、後半43分には感動的なシーンがあった。昨年10月のマンチェスター・C戦で膝靭帯に大ケガを負ったMFソリー・マーチが途中出場。アップ時から同選手のチャントを高らかに歌っていた地元サポーターは、下部組織出身のマーチをスタンディングオベーションで迎えた。
マーチは2度手術を受け、今回の復帰戦まで433日の長い時間を要した。そばで見ていた三笘も思うところが大きかったという。ロベルト・デゼルビ前監督時代には「左の三笘、右のマーチ」の両ウインガーがチームの大きな武器だっただけに、三笘も感慨深そうに話した。
「なかなか長い期間でしたけど、我慢強くやっていました。 彼は、僕の1年目と2年目で逆サイドでコンビを組んでいた。本当にやりやすいですし、彼が入ることでチームもうまく流動してくると思う。これから楽しみですし、いい形をいろいろ作っていきたいと思います」
試合後にマーチが「復帰まで長かった。試合にフル出場できる体力を取り戻すには、もう少し時間がかかる。出場時間を増やしていけば、もっと良くなる」と話したように、14か月のブランクは簡単に埋められるものではない。だがサポーターは、30歳になったマーチに小さくない期待を寄せている。
三笘が「これから楽しみ」と話すように、マーチの完全復活に期待したい。