サッカー女子WEリーグのクラシエカップは29日、東京・国立競技場で決勝があり、サンフレッチェ広島レジーナがINAC神戸レオネッサを1―0で破って2連覇を果たした。 前半33分にMF上野真実が先取点。後半はロングボール主体で攻めてきたINA…

 サッカー女子WEリーグのクラシエカップは29日、東京・国立競技場で決勝があり、サンフレッチェ広島レジーナがINAC神戸レオネッサを1―0で破って2連覇を果たした。

 前半33分にMF上野真実が先取点。後半はロングボール主体で攻めてきたINAC神戸に押し込まれたが、GK木稲(このみ)瑠那の好守もあり逃げ切った。

 2万1524人の観客が集まり、WEリーグ公式戦の最多記録を更新した。

■「苦しい時に頼りになる」

 互いに好機を作れない展開が続く中、試合を動かしたのは広島のMF上野真実だった。

 前半33分、ゴール前でFW中嶋淑乃からパスを受けた。「迷わず打とう」。左足でシュートを放つと相手DFに当たったボールがGKの逆を突き、ネットを揺らした。

 後半にはカウンターから抜けだしてゴールに迫り、守備にも奔走。90分間、走り回った。吉田恵監督は「チームが苦しい時に頼りになる」とたたえた。

 2016年のU20(20歳以下)女子ワールドカップ(W杯)で大会得点王に輝いた。将来を期待されたFWだったが、年齢制限のない日本女子代表(なでしこジャパン)に定着できず、12試合1得点と結果を残せていない。10月にあった韓国との親善試合のメンバーに選ばれたが、けがで離脱する不運もあった。

 なでしこジャパンは今月、ニルス・ニールセン監督の就任が発表された。タイトルがかかった一戦で奪った決勝点は、新監督に勝負強さを印象づけるには十分な結果だ。28歳は「アピールしないと代表にはいけない。チームで活躍することが一番」。有言実行のゴールだった。(藤野隆晃)